小樽クラシックカー博覧会において、毎回私が最も楽しみにしているもの。
それはやはり、「小林コレクション 旧車カタログ展示場」である。
免許を持たない小林氏は、今回も膨大な資料の数々を、公共交通機関を乗り継いで、この会場に持ち込んでくれたのだ。ありがたや、ありがたや。
そして、嬉しいことに、数年前からの私のリクエストに、氏は、ついに応えてくれた。
それは、「男と女とバラとスタンザ」のコピーがキャッチ―な、初代スタンザのカタログ!
氏は、このカタログを、我々取材班の喜ぶ表情を見るために、わざわざ滝川市の古本屋で入手してくれたという。
慈悲ある僧侶のような氏のその姿。なにか、後光が射して見えた。
’60~’70年代の、垂涎のクルマたちに加え・・・
商用車にも強いのが、氏のコレクションの特色である。
「剛力サンバー」のイメージキャラクターが、初代貴ノ花氏であったことを、この日初めて知った。
また、バイク系コレクションが増えたのが、今年の大きなポイント。
富士重工も、かつてはバイクを造っていた。
まずは、「ラビット スーパーフロー」。
そして、「ラビットジュニア」。
「ラビット マイナー」を加えて、これを「ラビット3兄弟」と称するのだそうだ。
いやぁ、勉強になりますなぁ!
フローリアンが登場した頃の「いすゞ車総合カタログ」が、また、泣かせる。
種々のベレットの中でも、2ドアヴァンの「ベレットエキスプレス」というクルマは、大いに魅力的!
一度、実車に、お逢いしたいものだ・・・
そして、いすゞといえば、今も昔も、やはり「トラック」でありましょう。
昔いすゞとスバルは提携しており、ベレットとスバル1000を同一の販売店で購入することが可能だったそうだ。
ヒヨコのようなマークは、『紅い丸は日本のモータリゼーションをリードする意志と情熱を示し、青い外周は「いすゞ」「富士重工」両社の力強い協調と永遠の発展を表現したもの』なのだそうだ。
そういえば、昔、「スバル ビッグホーン」っていうクルマもありましたネ。
そして、『「ハワイでお正月」大懸賞つき』の文字が躍る、いすゞフローリアンフェア開催の冊子!
いすゞが当時の新型車だったフローリアンに、かなり力を入れていたことが窺いしれる、貴重な史料である。
この日、実車に会場で逢うことができた、カペラロータリークーペ。
「アカツキ交通のタクシー」をついつい思い出してしまう、日産バイオレット。
度肝を抜かれたのが、初代プレジデントV8!
左上のシミが、なにか歴史の重みを感じさせる。
このクルマにも、当日実車に逢うことができたのは、実に幸運だったと言えましょう。
目に眩しい赤のシートは、まさにファンシーデラックス!
ドア開口部からのぞく女性の脚も、なにか時代を反映して、素晴らしい。
このカタログは、凄い。
ひょっとしたら、私よりもこの冊子の方が、年上かもしれない。
ありがたや、ありがたや。
そしてトリを飾るのは、やはり「トヨタ2000GT」である。
極めて美しい状態のそれに驚いたのだが、小林氏によると、これは数年前に発売された「復刻版カタログ」なのだそうだ。
ライトとグリルの形状から、どうやらこれは「後期型」のようだ。
その透視図に・・・
ヤマハの協力により産みだされた直列6気筒エンジン。
さらに、メカニズム解説の数々!
全長4175mm×全幅1600mm×全高1170mmのスリーサイズは、FT86よりも65mm短く・175mm狭く・130mm低い。
現代の技術でこれをそのまま作ったら、面白いだろうなぁ・・・!
貴重なお宝の数々。今年も、満喫させていただきました。
小林さん、ありがとう(^^)