これ観てなかったので。1946年制作で、GHQに没収されたと言われている映画である。
わたくしだけではないと思うが、こういう記録映画には物語がないのでなんとなく物足りない感じがしないでもない。確かにここには欠けているものがたくさんあるであろうが、われわれが物語に頼りすぎていることを自覚すべきである。本当に最近は陳腐な物語に頼りすぎているのである。ただ、一方で、――このフィルムに音楽をつけたのはいつか、英語のナレーションなどは誰かつけているのかなど、いろいろと疑問はあるのだが――、科学的報告というのが、突然、「不十分な調査だったかもしれないが、人々に希望と光をあたえた」と言いだし、そして「原子力が人類の平和と幸福に使われる日が来る」といった文言で閉められるのは、科学者が素朴だからとは必ずしもいえない。童話が素朴だから道徳を説いてもよいとは必ずしもいえないのと同じようなものである。――かどうかは知らんが……。