鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

[かつ]の同訓異字

2006年10月23日 | 帳面作りと学習用具

 前回の記事でか(搗)つを取り上げました。「辞典」の音訓索引で[かつ]を見ると、8つの漢字が並んでいますので、帳面にとりあえず、索8と書きます

かち合うは、標準解答では、搗だけですから、他のかつの字を書いても不正解です。つまり、搗と、他のかつとは意味が全く違うのです。

「辞典」の[かつ]の漢字は、

且はand
克剋捷勝戡嬴はwin
搗はpound


という意味ですから、搗とそれ以外の[かつ]とは意味が違います。同訓異字については、書き取り問題に出てきたときにチェックするのがいいと思います。克剋捷勝戡については、「辞典」本文の[かつ]のところに同訓異義が纏めてあります。

【克=剋】について

剋の見出し語は、相剋=相克、下剋上=下克上 剋復=克復ですから、剋は書けなくてもいい漢字です。

【克と勝】について

克つは、欲望などの感情を抑えつけるという意味で、誘惑に克つ、己に克つ、病気に克つという用例があります。一方、

勝つは、相手を負かすなどの意味があり、試合に勝つなどの用例があります。

これだけ見ると使い分けが必要のようですが、勝つは常用漢字音訓表の訓で、克つは表外音訓ですから、上記の用例で、誘惑に勝つ、己に勝つ、病気に勝つと書いても正解でしょう。この場合、誘惑や己や病気を、自己自身と捉えず、他者として捉えていることになるのでしょう。

【捷、戡、嬴】の違いについて

捷つは、すばやく勝つこと(但し、昔売っていた「合格捷径」を勉強しても、私の経験からはけっしてすばやく合格はできません)

戡つは、切り殺して勝つこと

だから勝ち方を限定しており、また、

嬴つは、賭けや競争で勝つこと

だから、勝つ対象を限定しているわけです。何れも、勝つと書いて間違いではないでしょう。

結局 剋=克≒勝≒捷≒戡≒嬴であり、何れも、訓の書き取りでは、勝つでよく、他の字は、訓の書き取りとしては出ないと思います。尤も、あくまで訓読みであり、音読み熟語は出題されるでしょう。

かつの同訓異字は、3種類に分かれ、搗つと且つは仲間外れ、あとは良く似た意味ということになります。 だから、搗 かつ=索8を消して、 かつonly≠且、勝他6と書くことにしました。



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