心人-KOKOROBITO-

亡き先人と今を生きる人に想いを馳せて
慰霊活動や神社参拝で感じ取った事を書き綴った日記と日々の雑感コラム

きくさんとのお電話

2016年07月12日 | 慰霊


先の文春による選挙妨害を欺くかの如く、我々の民意は何ら影響を及ぼされず見事に払拭し、青山繁晴氏は高得票数で参議院議員選挙に当選されました。組織票に頼る事をせずに得た驚異の得票数は、国内における様々な閉塞感、この打開への期待の数値と思われた方も多かったのではないでしょうか。

さて、その選挙期間中の街宣で、他の候補者と一線を引く演説が各所でありました。青山氏は選挙とは政策に直接関係のない話題として、白梅之塔に眠る少女達や硫黄島の御英霊の話を熱く語り、この国を想うきっかけである根っこの部分に強く言及されたのは、皆様ご記憶に残っているかと存じます。

参院選へ出場を知ったのは、沖縄慰霊の日である6月23日の数日前でした。しかし、この日から投票日の当選という結果が出るまで、白梅看護学徒隊の生き残りであり白梅同窓会会長の中山きくさんへは、一切本件についてご連絡も致しませんでした。しかし、これらの街宣の詳細は情報としてネットの動画しかなく、どのような内容だったかまでは、きくさんはご承知ないと確信し、彼女が青山氏の出馬をご承知かどうかも不明のまま、僭越ながら、本日彼女へお電話を入れ、様々なお話をさせて頂きました。



6月23日の慰霊祭での謝意を述べた所、逆に恐縮され、色々とお構い出来ずお詫びを述べられていましたが、青山さんが出馬された事も、そして当選された事もすでにご承知のご様子でした。ただ、街宣の内容までは存じていなかった様子でしたので、青山氏が聴衆者に対し、白梅之塔に眠る同級生の方々のお話をされた事を伝え、選挙前も選挙中も何ら変わることなく、一貫して熱くお話をされた事を申し上げますと、感嘆とされていました。

『あら、そうでしたか・・・。青山先生が白梅のことを取り上げてくださったお陰で、本当に大勢の方が来られましたよ。本当に感謝しています。私と青山先生は、考え方は随分と違うの、ご承知よね?(笑)でもね、私は青山先生に随分と質問もし、色々と教えて頂いたの。本当に勉強になりましたよ。沖縄には様々な事情が未だありますけど、だけど、私は青山先生のお話はきちんと聞きますし、理解出来ますよ。』と、そう仰いました。

『はい、承知しております。 今、政治は様々な場面で、二分化し分断し対立させるような動きがありますが、青山さんは街宣で、意見の違いがあるからって対立するのではなく、合致する所、意見が合う所を探すことの大切さを、有権者の方々へ訴えていました。ですから、沖縄においてもそのような形になればと思っています。』と応えました。

そして、『きくさん、青山さんは議員になっても、何らこれまで通り何ら変わりませんよ。また街宣で初めて聞いた方々が、白梅に興味を持たれ、お参りに来て下さると思います。議員になっても、これまでと何ら変わりなく、時間を作られ、また白梅之塔へお参りに行かれたり、きくさん達を訪ねて来ると思います。だから、いつまでもお元気で、お体大切になさって下さいね。』

短い会話ながら、きくさんの声の様子から、街宣でも従来と変わりなく白梅の少女達の話をされた事に少し心が揺さぶられたご様子でした。



振り返れば、2009年に講演会に参加した事がきっかけで、翌年1月初めて現地へ出かけ、小さな名刺受けにホテルで書いた手紙を無理やり入れて帰りましたが、すぐに絵葉書が届き、謝意を綴って下さったのが、きくさんでした。この年2010年は、きくさんと初めて白梅之塔でお会いし、現地では一切笑顔をこぼされず、一時はきくさんは笑わない人なんだろうかと疑心暗鬼になった程でしたが、毎月手紙を沿え送る御線香の文通により、どんどん心を開いて下さり、本音で語って下さるまでになりました。

私個人の考えは、亡き白梅の少女達へのご供養が一番であり、きくさんら生き残った同級生の方々は二番目と重きを置いておりました。従いまして、政争の具となりやすい戦争の話も、体験者のお話として座布団を譲り、何ら反論する事もなく、彼女達が負傷された兵士の看護にあたったその功績への感謝、ここに意識を傾注し、戦争で負った心の傷は、今を生きる我々の祈る真心と姿によって癒そうとそう決意した次第です。



白梅慰霊の会は、今年2月で丸5年目を迎え、6年目に向かおうとしています。出会った頃のきくさんも、この5年の歳月を経て御体にも影響が出て参りました。しかし、未だこの出会いの始まりである青山氏への感謝は何ら色あせる事なく、今も御健在です。

青山氏の当選によって、今度は公人になるわけですが、沖縄の様々な問題も、合致する点を探す、この努力によって沖縄戦や基地問題で分断されゆく様々な出来事に、修復頂ければと願って止みません。きくさんが生きていらっしゃる間に、善処が目に見えるよう願うばかりです。

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