できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

論点は年金や憲法というより・・・(07 参議院選挙)

2007-07-29 03:05:35 | Weblog

 今回は与党が厳しそうだったのでいろいろ書きたかったが…また忙しい夏で書けなかった。期日前投票をしてきた。「あいつだけは落としたい」と言いたいが、例の公職選挙法に引っかかるかも知れないので、投票が終わるまでは黙っておこう。

 

 安倍首相は、結果が悪ければ潔く退陣するだろう。「次がいない」ったって、民主党がもしバカ勝ちすれば、参議院で法案が通りづらくなるのだから、次の衆議院選挙までの「つなぎ内閣」になる可能性が高くなる。そんなわけで貧乏くじを押し付け合い、テキトーな「捨て駒」扱いされる人間が首相に選ばれるだろうから、「次がいない」っていうのは「捨て駒がない」というのと同じなわけだ…。そりゃいつでも捨て駒はないわけで、「次がいない」というのは、安倍首相が退陣しない理由としては弱すぎると思う。

 そんなわけで、捨て駒がある/ないに関わらず、与党が惨敗すれば安倍首相は辞職するだろう。辞職しないとすれば、次の衆議院選挙までの「捨て駒」の役割まで彼が負ったということだろう。

 野党から見れば、マスコミ+マスゴミの予想から大きく外れない限り、参議院では単独政党では民主党が第1党になりそうだから、今のうちに、衆議院との「議席のねじれ」を正すべく、衆議院選挙に持っていくのだろうな。

 

 だから、焦点は「その衆議院選挙後」ということではないかな。

 

 宮崎哲弥氏などがいろいろな所で発言していたように、今回選ばれる参議院議員は、解散もなく、6年後まで任期が続くので、何らかの形で必ず憲法改正の発議にかかわる議員を選ぶことになる。参議院の次の半数が改選されるのは3年後だが、順当に行けば、それまでは参議院では優勢な民主党の憲法観をみてとることができるだろう。衆議院の議席が大きく変われば、その流れも大きく加速するだろう。

 そこで民主党の議員の間での憲法観の違いが大きくなれば…民主党が分裂、そしてさらなる政界再編へと移るかも知れない。まあ民主党は「選挙のための政党」なので、論理的に一貫した政策を立てづらいという致命的な欠点があるし、護憲を徹底的に貫こうとする社民や共産とは、歩調を合わせにくいからだ。

 ただ、憲法に関しても、

「今のまま、日米安保体制という現実を見ずに、『改憲さえしなければとにかく有事でも穏便に事は進むだろう』というあいまいな認識のまま現状維持していこう」

という認識を、民主党や野党が維持し、それを国民が支持すれば、6年ぐらいでは全然憲法は変わらないだろうね。

 

 ここまで考えると、民主党が本気で政権を獲りに来て、その政権を持続させようとすればするほど、憲法という論点はあいまいなままごまかされていくのだろう。結果的に護憲ができればよい社民や共産も、この条件なら国会運営に協力するだろうし。

 

 ふむ。風が吹けば桶屋が儲かる式に考えると、「公務員のサボりが発覚したら結果的に憲法問題がうやむやになった」ということか。野党が勝てばね。

 驚嘆すべきは、社保庁などの公務員がここまで読み切っているかもしれないということだ(苦笑)。ここまで読み切って長妻議員などに情報をリークしていたとすると…今の日本は、やはりまだまだ「官僚国家」ということなのだろうな。

 今一番必要なのは、公務員を御せる政治家だろう。しかし、その条件こそが、今の日本では最も難しいものなのだろう。

 その意味で、与党も野党も忍耐が続く数年となるだろう。水面下で公務員と血みどろの戦いをし、そこから這い上がってくる政治家が出てくることを期待したい。防衛庁職員に対する石破茂みたいなものだな。

 



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