思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

ゴーン、篭池、村木・・検察庁という異常な組織、戦前の特高警察と重なる。ニューヨークタイムスも社説で批判。

2019-03-06 | 社会批評

国の内外からずっと批判され続けてきた日本の司法制度は、《民主制とその内実である人権思想》とはほど遠いもので、法務省の役付きは全員が検察官という異常な状態が続きます。

組織と人事という二輪ともが民主制になっていないません。その意味では北朝鮮などの独裁国家と変わりません。戦前の特高警察と思想は同根です。

自分たち役人が絶対で逮捕も拘留も思いのまま、過酷な牢獄に閉じ込め、人権という思想は認めない。まさに安倍首相の思想ブレーン・八木秀次(麗澤大学教授)の言う通り「日本には欧米のつくった『人権』という思想はなじまない。われわれは人権という言葉に怯える必要はない」(「反人権宣言」ちくま新書)」を地で行くのが検察庁という役所なのです。

2月22日の『ニューヨークタイムス』の社説は、「裁かれるのは、伝説的な経営者だけでなく、日本の司法制度でもある」と結論づけています。「日本では裁判で罪を認めることを約束した者だけにしか保釈を認めない」として、日本の検察庁の著しい歪みを指摘しています。

有罪か無罪かは裁判で決まるのではなく、検察官が黒と言えば黒だという民主国では世界に例のない(その意味では民主国ではない)日本という国家の異常性ですが、これは、教育の問題でもあります。司法試験を通るためには丸暗記とパターン知による機械的な勉強を強いられ、豊かな人間性を育むゆとりがありません。実存思想=フィロソフィー(恋知)を知らない紋切型人間になりますから、「自分が正義」と思い込む恐ろしい存在に堕ちます。人権など二の次三の次で、戦前の皇軍兵士や指令官、あるいは特高警察官のようなレベルです。

まったくの無実の(検察官がパソコンデータを書き替えて「証拠」をでっち上げた)厚労省の村木さんを162日にも劣悪な拘置所に拘留したり、誰もが顔を知り逃げ隠れできない篭池夫妻の保釈を認めずに300日も拘留したり、土地代金の支払い記載を翌年に繰り越した罪!?で小沢一郎の秘書の衆議院議員・石川さんを逮捕、拘留したり、どこから見ても民主国ではない所業を日常的に行い、あげくに大阪と東京の検察庁の裏金づくりの事実をテレビ(鳥越キャスターのテレ朝の番組)で証言しようとした大阪高等検察庁の検事正・三井 環さんを逮捕して口封じをしたり、やりたい放題の日本の検察庁、それでいて、安倍首相夫妻の証拠山積みの森友や加計問題では何もしない(首相は、夫人に外務省などから出向させて二名を専属秘書とし、別に3名もの公務員の臨時秘書をつけて森友の名誉校長として働かせ、加計学園でも同様に仕事をさせていた)。


まさに「ニューヨークタイムス」のいう通り、日本の司法制度が裁かれなくてはなりません。ようやく異例の条件で、東京地方裁判所は、ゴーンの保釈を認めましたが、これ以上検察の言うなりでは、世界から見放されるからです。道連れはご免、というわけでしょうが、ゴーンという国際的な大物以外では、何も変わらないでしょう。


武田康弘(元参議院行政監視委員会調査室・客員調査員)

 

 

 

 

 

 

 

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