思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

特捜検察を誤らせた責任は、裁判官とマスメディアにあるー『東京新聞』筆洗

2011-08-02 | 社会思想

以下は、今朝(8月2日)の『東京新聞』筆洗(社説に準ずる一面最下段のコラム)です。

「特捜を誤らせた責任の一端はマスコミにあり、と思いますが…」。今年の正月、旧日本長期信用銀行(現新生銀行)の元常務から届いた年賀状には、こんな一言が添えられていた
▼粉飾決算事件で東京地検特捜部に逮捕、起訴された元頭取らは三年前、最高裁で逆転無罪に。「検察に追従し、世論をあおった」とメディアを痛烈に批判した弁護士の言葉が突き刺さった
▼大阪地検特捜部の不祥事を受けて、先日発表された東京、大阪、名古屋の三地検の特捜部改革は、独自捜査偏重の路線を見直して、国税庁などからの送致事件の対応を強化するという
▼「過度の独自捜査優先の考え方は、誤ったエリート意識や傲慢(ごうまん)さへとつながりかねない」。笠間治雄検事総長はそう言い切った。捜査の現場を熟知するトップの重い決断だろう
▼きのう、発表された検察人事が注目されている。民主党の小沢一郎元代表の政治資金規正法違反事件を指揮した最高検幹部が退官し当時の東京地検特捜部長は先例のない研究職に転じる。長期化した捜査や、元秘書らの供述調書の多くが、裁判所に証拠採用されなかったことなどと関係があるのだろうか
▼特捜検察を誤らせた責任は、供述調書を妄信した裁判官、批判精神を欠いていたマスメディアにある。「検察の正義はまず疑ってみます」。元常務への暑中見舞いにはそう書こうと思う。


「特捜検察を誤らせた責任は、供述調書を妄信した裁判官、批判精神を欠いていたマスメディアにある。」は、
まことにその通りですが、

去る5月8日(月)には、史上はじめて国会(参議院)から「最高検察庁」への行政視察が行われたにも関わらず、マスメディアは、新聞もテレビも一切報道しませんでした。検察庁から報道しないよう依頼されたのは間違いないでしょうが、一行政機関である検察庁の意向を酌んで、何も知らせないマスコミでは、社会主義国の報道規制となんら変わりません。当日は、読売新聞も朝日新聞も取材に来ていたそうですが、一行も書かなかったのですから、その異常性には呆れるほかありません。

この日の参議院行政監視委員会(末松信介委員長)による最高検察庁への行政視察は、参議院議員24名(委員の8割)が参加して行われ、今までで最大規模とのことです。国会は、憲法41条の規定にある通り、国権の最高機関ですので、超党派で行政機関を監視するのは最も重要な仕事です。日本の民主主義を守り育てるために、これからも委員のみなさんにはぜひ頑張って頂きたいものです。霞が関官僚による不当な支配(官治主義)に対する唯一の機関が、国会からの行政監視なのですから。


武田康弘

コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする