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シニア世代の恋愛作法(白浜 渚のブログ)

シニア恋愛小説作家によるエッセイ集です
 ブログの記事すべての内容に関する権利は白浜渚に所属します。
 

卒業そして進学

2015年11月20日 23時18分41秒 | シニアの恋
卒業そして進学
「もう卒業したわ。」
「どこを。」
「夫婦大学。」
「そして?」
「大学院に進学よ。」
「専攻は?」
「恋愛専攻・・・」
「なるほど、それはいい。」
「夫婦生活にはいろいろな苦労や幸せがあったけれど、伴侶を亡くして落ち込んでいたら駄目よね。これからの人生はこれから創っていく。」
「新しい出逢いも大切にしてね。僕は妻を亡くして5年になるけど、君と出会えて本当に幸せだよ。」
「夫婦大学ではいろいろ学んできたわ。」
「その学んできたことを100パーセント生かして行きたいね。」
「あなたは私の恋人、夫ではないの。二人で今までの夫婦大学の経験を生かして『恋』の研究をしましょ。『恋愛専攻』で大学院に進学よ。」
「素晴らしいね。歳とともに会話がほとんど無くなってしまっている夫婦の話もよく聞く。そうならないためにはどうすれば良いのか。僕らはなんでもよく話すよね。とっても幸せだよ。」
「高齢の夫婦では半数以上がセックスレス夫婦なんですって。」
「高齢っていくつから言うのかな。」
「アンケートの分類では60歳だそうよ。」
「う~ん・・・。でも、一緒にいるだけでも幸せなんじゃないかなぁ。」
「だって、いつも一緒に顔を合わせていて、会話もほとんどない、セックスもない、そんなのいやだわ。私なら耐えられない。」
「長年一緒に暮らしてきて、お互いに『空気』のような存在になっているんだね。亡くしてみて初めて大切さが身に染みて分かる。そうなる前になんで話し合い、愛を確かめ合うことが出来ないのだろうね。」
「私はそうはなりたくないわ。」
「大学院で君と研究に励もうね。君と愛し合えるからいろいろな活動も思い切って踏み込めるし、自分の健康にも注意する。恋に健康は不可欠だからね。」
「私、今が最高に幸せ。この今を大切に生きたいわ。恋で病気なんかふっとばしましょうよ。」

次回のテーマは   「加齢とセックス」  です。

白浜 渚の本
シニア恋愛小説「ピアノ」


男と女

2015年11月05日 21時58分16秒 | 随筆
男と女
加齢とともに男女とも性ホルモンの分泌は低下して中性化する傾向になるそうです。私自身たしかに若い時代ほど美しい女性を見て心が躍るような体験は少なくなっていますし、性への渇望感のようなものも若い頃ほど激しくはないようです。しかし恋人を思う気持ちはますます強く、深くなるのを実感し、また彼女にしても私への愛情が深くなっているのを実感できて嬉しく、深い幸せを感じています。

異性に惹かれる気持ちは加齢とは無関係です。恋する男はただひたすらに、女が喜ぶことをしたいと願います。行動します。一緒に出来る社会的な活動があればそれも恋の一部です。高齢者にあっては協働出来る活動は全てが恋人とのデートです。ボランティア活動はギャランティが発生しないので、彼女と一緒に活動でき、助け合い、共通の目的を達成するために働けること自体がモチベーションです。過去に培ってきた特技、能力が生かせればそれら全てを総動員して目的に向かうことができます。そこでは彼女と共有出来る達成感への想像までが男の喜びです。

女は、相手と協働出来る場所を見つけると真摯に取り組みます。時には多少の意見の対立があっても妥協しません。熱心に説得し、行動して共同の目的に向かって邁進します。自分に足りない部分は全幅の信頼をおく彼が補い、支えてくれるのでいつでも自信を持って行動します。ボランティア活動での恋人との協働は、女にとってもそれ自体が活動への原動力となります。

高齢者の恋において最大の推進力は「高齢」であることです。いかに強く惹かれていても、この恋が「いつまで続くか」への確実な保証はありません。だから幸せである「今」を大切にします。意識する・しないに関わらず健康に留意します。高齢の恋人にとってもセックスは大切な一面です。これについては改めて取り上げます。

高齢者の恋愛はやがて結婚して家庭を持つというプロセスは踏まず、いつまでも純粋に恋愛として継続するので「純粋恋愛」です。経済的にも依存しない個人の結びつきとしての恋愛は、お互いへの思いやりと配慮抜きには成り立ちません。だからそのための努力を惜しまない緊張感も必要で、その緊張感がお互いの愛情と自らの精神的なよりどころとなり、健康を保つ要因にもなるのです。



次回のテーマは   「卒業そして進学」  です。

白浜 渚の本
シニア恋愛小説「ピアノ」


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