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シニア世代の恋愛作法(白浜 渚のブログ)

シニア恋愛小説作家によるエッセイ集です
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加齢とセックス その2

2015年12月05日 07時45分18秒 | シニアの恋
  加齢とセックス その2
男性にとって挿入による快感は一過性であり、個人差はありますが歳とともにしだいに減退していきます。しかし男性の性的な接触による精神的な喜びは、女性が受け入れる限り決して衰えたり失われたりすることはありません。セックスによる快感は脳内で感ずるので、男性はどのようにすれば女性をオーガスムに導けるかを追求し、努めれば、達成したときには男性としての充実した強い快感が得られます。これは心理学的には「ミラーリング」と呼ばれる現象で、男性は「エクスタシー」こそないものの十分深い充実感が得られます。

老若を問わず愛し合う男女はただ肌を合わせて抱きあうだけでも深い満足感を得られますし、さらに男性が女性を性的に満足させることで自らも深い感動と満足を体験できるのです。だから、男性は女性を喜ばせるための「技術」を養う必要があります。これは「セックスの技術」ではなく「恋人と深く結び合う」ための技術です。そしてこれは高齢者にこそ必須な技術だと言えます。

以前、『シニアのセックス作法』の中で次のように述べました。
『セックスは脳で感じるので、そこには所謂テクニックはいりません。というより、テクニックは自然についてくるものです。』

文中の下線部分の『テクニック』はここで言う『「恋人と深く結び合う」ための技術』とどう違うのでしょうか。具体的な行為自体にはそれほど大きな相違はないかもしれませんが、その動機には大きな差があります。女性を真に喜ばせたいという強い気持ちから、相手の感覚や感性への想像力を働かせて、最も適切な行動をとる。セックスには愛情とともに、女性の心理や生理に対する深い知識と洞察を伴う「知的な行為」としての側面も大切なのです。

例えばEDのため挿入が不可能な男性の場合でもお互いの愛情が豊かで、女性にもそれを理解し受け入れる体制があれば男性の愛情のこもった手指による愛撫だけで彼女は完全なオーガスムに入ることができますし、共に愛情豊かな深い幸せな時間を共有することが出来ます。

高齢者のセックスではお互いに決して性急な進行を求めないことも大切です。個人差はありますが、女性は性器以外の全身への愛撫によって性感を高めることが出来ますし、強い接触よりも長時間のソフトな愛撫に強く反応します。具体的な感じ方や技術的な問題は二人が心を開いて、率直に話し合って「開発」するべきもので、ハウツー本などに載っているような「セックステクニック」を参考にしても、最終的には独自の方法を求めれば良く、そこにタブーはありません。

男性がEDやそれに近い場合でも、女性による愛撫によって性感を高めることは十分可能です。彼の愛撫でオーガスムに達した女性が、感謝の気持ちを込めて手指による愛撫や口唇愛撫に及べば、男性は肉体的精神的快感が高まり半勃起状態になることもできます。射精に達しなければ、その快感は終わりがなく、いつまでも続きます。

最近スローセックスという言葉がよく聞かれます。スローセックスは射精やオーガスムだけを求める男性本位のセックスに対し、ゆっくり時間をかけ、お互いにいたわりながら肌を重ねる時間を楽しむ性行為のことです。セックスセラピストのアダム徳永氏の著書がベストセラーになって広く知られるようになりました。これこそシニアにふさわしいセックスのあり方と言えます。


次回のテーマは   「切ない恋」  です。


白浜 渚の本
シニア恋愛小説「ピアノ」



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (ケンスケ)
2015-12-10 10:46:36
お越しいただいたようで
嬉しく思います
白浜様のブログを気に入りました
読者登録させて頂きますね
よろしく・・・
返信する
ありがとうございます (なぎさくん)
2015-12-10 21:00:10
ケンスケさん、訪問ありがとうございます。
現代は超高齢化時代!
高齢に私自身がどう向き合うかに取り組みたいと思います。これからもよろしくお願いしますネ・・・
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