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[大学受験・世界史] ユダヤ教(70字)

2008-07-19 00:10:13 | 世界史
ポータルサイト 検索の達人 http://www.shirabemono.com/
高大連携情報誌「大学受験ニュース」
調べもの新聞編集室 高校生新聞 中村惇夫

[大学受験・世界史の論述のトレーニング]
参考文献: 問合せ:::nakamurayoshio@gmail.com
①Z会出版 段階式 世界史論述のトレーニング 
     ②歴史図書総目録 2007年度版 400円
     ③河合出版 世界史論述 例題69+練習問題+有料添削 
     ④岩波書店 「鹿野政直思想史論集 全7巻 四六判・平均440頁
     ⑤浜島書店 新詳日本史www.hamajima.co.jp 環境に易しい再生紙使用
     ⑥帝国書院 最新世界史図説タペストリー [※タペストリーとは?] 
     ⑦秋田書店 臨時増刊歴史と旅 昭和61年4月5日発行 
     ⑧学研 駿台予備校斉藤の直前講習 世界史B 文化史&人物
     ⑨毎日新聞社 1億人の昭和史11 昭和への道程ー大正 1976.3
⑩NHK第2放送 心をよむ 聖書・コーラン1985.10~86.3

①Z会出版 段階式 世界史論述のトレーニング P21 の解答例

     「ユダヤ教は唯一神ヤハウェを信奉する宗教で、ヤハウェと契約を結ん     だユダヤ教のみが救済されるとする選民思想やメシア信仰、律法の遵守     を特徴とする。  (ぴったり 70字)

 

   





[ユダヤ教(抜粋)


ダビデの星ユダヤ教は、古代の中近東で始まった唯一神 ヤハウェを神とし、選民思想やメシア信仰などを特色とする民族宗教である。⇒約60字






ダビデの星ユダヤ教(ゆだやきょう)は、古代の中近東で始まった唯一神 ヤハウェ(ヤハズース יְהֲדוּת yahădhūth(yahăðūθ)、ヤハドゥート yahadut)を神とし、選民思想やメシア信仰などを特色とする民族宗教である。ただしメシア思想は、今日ではハバド・ルバヴィッチ派などを除いて中心的なものとなっていない。 唯一神教であり、キリスト教やイスラム教の起源にもなった。

目次 [非表示]
1 概要
2 歴史
2.1 古代イスラエル
2.2 ユダヤ教の成立
2.3 ユダヤ教の経緯
3 教派
3.1 主な教派
3.2 ユダヤ教の組織の簡素な概略と派生した思想・組織
4 祭日
5 関連項目
5.1 ユダヤ人とユダヤ教
5.2 ハラーハー(ミツワー)と信仰
5.3 比較
6 文献案内
6.1 ユダヤ教とシオニズム
6.2 紹介
6.3 聖書
6.4 ミクラーオート・ゲドーロート Mikraot Gedolot(ラビ聖書、大聖書)
6.4.1 聖書の解説書
6.4.2 ミシュナー・タルムード、ラビ文学
6.4.3 613のミツワー
6.4.4 ハラーハー
6.5 クルアーン、イスラム教
6.6 人物伝
6.7 その他
7 外部リンク
7.1 総合
7.2 正統派・現代正統派・ハシディズム
7.3 保守派
7.4 改革派
7.5 再建派
7.6 ヒューマニズム
7.7 カライ派
7.8 ユダヤ教文学と文書
7.9 聖書
7.10 その他
8 ウィキメディア・トーラーの学び Torah study プロジェクト



ユダヤ教はキリスト教、イスラム教よりも長い歴史を持ち、二つの宗教の源であり、同時に多大な影響を与えてきた。キリスト教で「旧約聖書」と呼ばれる書物はユダヤ教の聖書そのものであり、「新約聖書」と同じく重要な書物である。イスラム教でも「モーセ五書」は「コーラン」に次いで重要視される。ユダヤ人であることとユダヤ教徒であることはほぼ同義に近く、血縁よりも行動(とそれぞれのレベルでの信仰)が重要視されることも多い。そのため改宗にも時間がかかり、単なる入信とは大きく異なる(例えばイスラエル国においてロシア系移民の改宗手続きをする場合、440時間を費やすので、一日2時間勉強しても最低7ヶ月かかる)。このようにユダヤ教が民族的側面を持っているところも大きな特徴である。

しかし、ユダヤ教からの視点では、ユダヤ教はキリスト教やイスラム教と違い、信仰、教義よりも、その前提として、まず行為・行動の実践と学究をすすめる、しかしキリスト教は行動・行為よりも自己の心の内の信仰を重視するものが多く、イエスをメシアとする、原罪、贖罪、再臨の信仰など三要素ほか、さまざまな点において、すでにユダヤ教との大きな違いが指摘される。



[編集] 歴史

[編集] 古代イスラエル
北イスラエル王国が滅ぼされ、更に南ユダ王国が新バビロニアに滅ぼされ、バビロンに捕囚される以前の古代イスラエルの宗教を、以下に述べるユダヤ教と区別する場合は、「イスラエルの神ヤハウェ信仰」とか「古代イスラエルの宗教」と呼ぶ。


[編集] ユダヤ教の成立
バビロン捕囚中の約50年間に、王国もなく、神殿もない状況に置かれたため、今までのイスラエル民族の歩みを根本的から捉え直し、大胆な宗教変更・改革を行い、「圧倒的な政治・経済を誇る異教の地」の下にも拘わらず、それに飲み込まれずに、神ヤハウェの再理解、神との再度の関係修復を実現し、イスラエル民族のアイデンティティを確立した。 これが「神ヤハウェが、この世界を創造した神であり、唯一神である」と理解し直されたユダヤ教である。 これの代表的な宗教家は無名であり、旧約聖書学では第2イザヤと呼ばれている預言者である。 また、創世記の天地創造の物語も、この時代に、祭司記者といわれるグループによって著述された。

その後(紀元前539年)、この捕囚されていた南ユダ王国の人々がユダヤに帰還したが、政治運動であるユダヤ王朝の復興は禁止されたままであったので断念し、捕囚期の宗教改革を受けたヤハウェ宗教の下で「エルサレム神殿の儀礼」と「神ヤハウェの教えであるトーラー・律法の遵守」を2本の柱とするユダヤ教団を発展させた。

ここで「ユダヤ」とは、イスラエル十二部族の一つユダ族の居住していた地方の名である。


[編集] ユダヤ教の経緯
イスラエル民族の政治形態の形成の大きな流れは、以下の通りである。


(1)脱出の共同体:紀元前1280年頃:モーセがヘブル人(これは、民族・人種ではなく、社会的下層の人々を示す)を中心とした集団をエジプトから脱出させ、シナイ山で神ヤハウェと契約を結ぶ(十戒、律法)


(2)部族連合の形成:約200年間:カナンに定着後、12部族からなるイスラエル民族とし、王は神ヤハウェであるので人間の王を立てずに、平等な社会を形成


(3)王国の形成:紀元前1020年頃から約400年間:外部からの防衛上必要悪として王を立てるが、平等な関係が崩壊し、支配・被支配の構造が作られる。預言者による王への批判が起こる。ダビデと子のソロモンの時代が有名。


(4)教団民族の形成:新バビロン帝国に南ユダ王国が滅ぼされ(紀元前587年)、政治・宗教のエリート層の全員が捕囚され異郷の地バビロニアで生活を強いられ、そこで長い間の民族神・神ヤハウェに対する深刻な葛藤・省察の後に、国はなくてもユダヤ教団として生きる道を選ぶ。旧約聖書の天地創造物語はこの時代に著述された。


[編集] 教派



[編集] クルアーン、イスラム教
ムハンマドとクルアーンの拠り所の一つはヘブライ聖書・アッガーダーであり、ハディースの基礎はユダヤ系ムスリムの作成したものである:
岩波文庫『コーラン 上』(井筒俊彦 訳 / 岩波書店 / ISBN 4-00-338131-9 / 1979年)
岩波文庫『コーラン 中』(井筒俊彦 訳 / 岩波書店 / ISBN 4-00-338132-7 / 1979年)
岩波文庫『改版 コーラン 下』(井筒俊彦 訳 / 岩波書店 / ISBN 4-00-338133-5 / 1979年)
中公クラシックス E6『コーラン 1』(藤本勝次・伴康哉・池田修 訳 / 中央公論新社 / ISBN 4-12-160034-7 / 2002年7月)
中公クラシックス E7『コーラン 2』(藤本勝次・伴康哉・池田修 訳 / 中央公論新社 / ISBN 4-12-160037-1 / 2002年8月)
講談社現代新書 1169『コーランと聖書の対話』(久山宗彦 著 / 講談社 / ISBN 4-06-149169-5 / 1993年10月)
中世思想原典集成 別巻『中世思想史』(上智大学中世思想研究所 編訳・監修 / K・リーゼンフーバー 著 / 村井則夫 訳 / 平凡社 / ISBN 4-582-73431-6 / 2002年11月 / 8400円(税込))
岩波講座 東洋思想 第2巻『ユダヤ思想』(井筒俊彦 他 / 岩波書店 / ISBN 4-00-010322-9 / 1988年1月)
『超越のことば イスラーム・ユダヤ哲学における神と人』(井筒俊彦 著 / 岩波書店 / ISBN 4-00-001361-0 / 1991年5月)
『コーランを知っていますか』(阿刀田高 著 / 新潮社 / ISBN 4-10-334322-2 / 2003年8月)
Truth in fantasy 17『天使』(真野隆也 著 / 新紀元社 / ISBN 4-88317-250-3 / 1995年2月)

[編集] 人物伝
『二十世紀のユダヤ思想家』(サイモン・ノベック 編、鵜沼秀夫 訳、ミルトス、ISBN 4-89586-130-9、1996年10月)

[編集] その他
『ユダヤ思想にふれた私 生きる・いたみ』(てしまゆうろう 著 / フォレスト出版 / ISBN 4-89451-099-5 / 2000年7月)
『金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ』(副島隆彦 編、SNSI研究員 著 / 祥伝社 / ISBN 4396612346 / 2005年1月)


仏教
基本教義
縁起 四諦 八正道
三法印 四法印
諸行無常 諸法無我
涅槃寂静 一切皆苦
人物
釈迦 十大弟子 龍樹
如来・菩薩
仏の一覧
部派・宗派
原始仏教 上座部 大乗
地域別仏教
インドの仏教 中国の仏教
韓国の仏教 日本の仏教
経典
聖地
八大聖地
ウィキポータル 仏教

大乗仏教(だいじょうぶっきょう、Mahāyāna Buddhism)は、伝統的に、ユーラシア大陸の中央部から東部にかけて信仰されてきた仏教の分派のひとつ。自身の成仏を求めるにあたって、まず苦の中にある全ての生き物たち(一切衆生)を救いたいという心、つまり大乗の観点で限定された菩提心を起こすことを条件とし、この「利他行」の精神を大乗仏教と部派仏教(=俗称「小乗仏教」)とを区別する指標とする。

目次 [非表示]
1 概要
2 「大乗非仏説」論
3 発展の諸相
4 伝播
5 関連項目



[編集] 概要
大乗(Mahā(偉大な)yāna(乗り物))という語は、般若経で初めて見られ、一般に大乗仏教運動は般若経を編纂護持する教団が中心となって興起したものと考えられている。般若経典の内容から、声聞の教え、すなわち部派仏教の中でも当時勢力を誇った説一切有部を指して大乗仏教側から小乗仏教と呼んだと考えられているが、必ずしもはっきりしたことは分かっていない。なお思想的には、大乗の教えは釈迦如来入滅の約700年後に龍樹(ナーガールジュナ)らによって理論付けされたとされる。

一方、釈尊の教えを忠実に実行し、涅槃(輪廻からの解脱)に到ることを旨とした上座部仏教に対し、それが究極においてみずからはどこまでも釈尊の教えの信奉者というにととどまるもので、自身がブッダ(如来)として真理を認識できる境地に到達できないのではないかという批判的見地から起こった仏教における一大思想運動という側面もある。釈尊が前世において生きとし生けるものすべて(一切衆生)の苦しみを救おうと難行(菩薩行)を続けて来たというジャータカ伝説に基づき、自分たちもこの釈尊の精神(菩提心)にならって善根を積んで行くことにより、遠い未来において自分たちにもブッダとして道を成じる生が訪れる(三劫成仏)という説を唱えた。この傾向は般若経には希薄だが、明確に打ち出した経典として法華経や涅槃経などがある。

自分の解脱よりも他者の救済を優先する利他行とは大乗以前の仏教界で行われていたものではない。紀元前後の仏教界は、釈尊の教えの研究に没頭する余り民衆の望みに応えることが出来なくなっていたとされるが、出家者ではない俗世間の凡夫でもこの利他行を続けてさえいけば、誰でも未来の世において成仏できる(ブッダに成れる)と宣言したのが「大乗仏教運動」の特色である。声聞や縁覚は人間的な生活を否定して涅槃を得てはいるが、自身はブッダとして新しい教えを告げ衆生の悩みを救える、というわけではない。が、大乗の求道者は俗世間で生活しながらしかも最終的にはブッダに成れると主張し、自らを菩薩摩訶薩と呼んで、自らの新しい思想を伝える大乗経典を、しばしば芸術的表現を用いて創りだしていった。



目次 [非表示]
1 概要
2 「大乗非仏説」論
3 発展の諸相
4 伝播
5 関連項目



[編集] 概要
大乗(Mahā(偉大な)yāna(乗り物))という語は、般若経で初めて見られ、一般に大乗仏教運動は般若経を編纂護持する教団が中心となって興起したものと考えられている。般若経典の内容から、声聞の教え、すなわち部派仏教の中でも当時勢力を誇った説一切有部を指して大乗仏教側から小乗仏教と呼んだと考えられているが、必ずしもはっきりしたことは分かっていない。なお思想的には、大乗の教えは釈迦如来入滅の約700年後に龍樹(ナーガールジュナ)らによって理論付けされたとされる。

一方、釈尊の教えを忠実に実行し、涅槃(輪廻からの解脱)に到ることを旨とした上座部仏教に対し、それが究極においてみずからはどこまでも釈尊の教えの信奉者というにととどまるもので、自身がブッダ(如来)として真理を認識できる境地に到達できないのではないかという批判的見地から起こった仏教における一大思想運動という側面もある。釈尊が前世において生きとし生けるものすべて(一切衆生)の苦しみを救おうと難行(菩薩行)を続けて来たというジャータカ伝説に基づき、自分たちもこの釈尊の精神(菩提心)にならって善根を積んで行くことにより、遠い未来において自分たちにもブッダとして道を成じる生が訪れる(三劫成仏)という説を唱えた。この傾向は般若経には希薄だが、明確に打ち出した経典として法華経や涅槃経などがある。

自分の解脱よりも他者の救済を優先する利他行とは大乗以前の仏教界で行われていたものではない。紀元前後の仏教界は、釈尊の教えの研究に没頭する余り民衆の望みに応えることが出来なくなっていたとされるが、出家者ではない俗世間の凡夫でもこの利他行を続けてさえいけば、誰でも未来の世において成仏できる(ブッダに成れる)と宣言したのが「大乗仏教運動」の特色である。声聞や縁覚は人間的な生活を否定して涅槃を得てはいるが、自身はブッダとして新しい教えを告げ衆生の悩みを救える、というわけではない。が、大乗の求道者は俗世間で生活しながらしかも最終的にはブッダに成れると主張し、自らを菩薩摩訶薩と呼んで、自らの新しい思想を伝える大乗経典を、しばしば芸術的表現を用いて創りだしていった。


[編集] 「大乗非仏説」論
伝統的に大乗仏教を信仰してきた地域の諸宗派は、これらの大乗経典は釈尊が成道して以来40数年の間のどこかで説かれたものとみなしているが、成立しはじめた当時すでに仏教の内部から大乗経典は勝手に創作されたものであり正統な仏教とは言えないという批判があった(上座部仏教からの「大乗経典偽経」説)。

また、現在においても主にこれを根拠に大乗仏教が否定的に評価されることも少なくない。近代に入ると文献学的研究が進み、仏教思想は段階的に発展したもので、そもそも上座部をもふくむ仏教の経典全体が数世紀という長時間をかけて徐々に成立してきたものであるだけでなく、北伝、南伝の最古の教典には「如是我聞」の記述が見られないことが日本でも「法華経無内容説」で有名な富永仲基によって指摘されている。実際に、富永仲基などは、如是我聞は、もともとは又聞きを意味し、釈迦から直接聞いたと言う意味ではなかったと主張した。現在の学会でも現存する南伝および北伝の教典に釈迦の言葉が実際に伝えられているのか、それともあくまで、その時代時代のサンガの思想が釈迦の言葉として後のサンガに伝えられたのかは大いに議論されている。

現存する上座部の名称は、部派仏教の説一切有部の一派がほかの部派の消滅に伴い、大乗仏教に対立する意味で、「上座部」を再度名乗ったことに起源があり、根本分裂のころの上座部とはちがう。よって現在の上座部は部派仏教の一派の教えを継承している。大乗仏教においては、部派仏教の別(ただし同じ上座部系)の一派の教典を、ほかの大乗経典と一緒に継承しいる。しかし、現在でも、上座部が仏のもともとの教えを伝えるものとする主張は上座部仏教で主張される。また現在の研究では、南伝、北伝のほとんどの教典に釈迦が直接説いた教えはほとんど見られないとの見解であるのに、さも大乗経典だけが文献学によって紛い物であると証明されたと主張されることがままにある。

このような批判にたいする大乗仏教側の反論として、

小乗仏教と大乗仏教は同時に並行して伝えられて来たものである
釈尊が大乗仏教なる邪説が起こるなどとは予言していない
(ただし、上座部の教典には釈迦の死後五百年後にそのようなことが起こると予言されたとされている)

仏教以外のいわゆる外典とくらべて大乗の教義が優れている
実際に大乗を信奉して利益がある
などの理由を挙げて大乗仏教の正当性を主張している。


[編集] 発展の諸相
ブッダとは歴史上にあらわれた釈迦だけに限らず、過去にもあらわれた事があるし未来にもあらわれるだろうとの考えはすでに大乗以前から出てきていたが、大乗仏教ではこれまでに無数の菩薩たちが成道し、娑婆世界とは時空間を別にしたそれぞれの世界でそれぞれのブッダとして存在していると考えた。この多くのブッダの中に西方極楽浄土の阿弥陀仏や東方浄瑠璃世界の薬師如来などが居る。

また、歴史的存在、肉体を持った存在であった釈尊の教えがただそのまま伝わるのではなく、大乗仏教として種々に発展を遂げ、さまざまな宗派を生み出すに至ると、この思想運動そのものがある非歴史的な「物自爾」ともいうべき存在(法身)の自己表現ではないかという視点が生まれ、その存在を大日如来と想定した。それ以前の、歴史としておもてに表れた部分(顕教)の背後に視座を持つことからこの仏教を顕教から区別して密教という。密教の経典は釈尊ではなく大日如来の説いたものとされる。心で仏を想い、口に真言を唱え、手で印を結ぶ三密加持を行じ、みずからこの非歴史的存在を象徴する事で成道できるとする即身成仏を唱えた。

そのほか、釈尊が入滅してから1500年が経過すると仏教はその有効性を失うとする末法思想を背景に、末法の世において娑婆世界で成道する事(自力聖道門)の困難を主張し、それを放棄することでいったん阿弥陀仏の極楽浄土へ往生してから成道する事(他力浄土門)を提唱する浄土教も起こった。

上座部仏教と大乗仏教、顕教と密教、自力門と他力門など互いに相容れない視点がひとつの宗教にある事は不思議なようであるが、もちろんすべての宗派に共通しているのは仏教の証しとされる三法印である。


[編集] 伝播
紀元前後より、アフガニスタンから中央アジアを経由して、中国・韓国・日本に伝わっている(北伝仏教)。またチベットは8世紀より僧伽の設立や仏典の翻訳を国家事業として大々的に推進、同時期にインドに存在していた仏教の諸潮流を、数十年の短期間で一挙に導入、その後チベット人僧侶の布教によって、大乗仏教信仰はモンゴルや南シベリアにまで拡大されていった(チベット仏教)。

7世紀ごろベンガル地方で、ヒンドゥー教の神秘主義の一潮流であるタントラ教(Tantra または Tantrism)と深い関係を持った密教が盛んになった。この密教は、様々な土地の習俗や宗教を包含しながら、それらを仏を中心とした世界観の中に統一し、すべてを高度に象徴化して独自の修行体系を完成し、秘密の儀式によって究竟の境地に達することができ仏となること(即身成仏)ができるとする。密教は、インドからチベット・ブータンへ、さらに中国・韓国・日本にも伝わって、土地の習俗を包含しながら、それぞれの変容を繰り返している。

考古学的には、スリランカ、そして東南アジアなど、現在の座部仏教圏への伝播も確認されている。スリランカでは東南部において遺跡が確認されており、上座部仏教と併存した後に12世紀までには消滅したようである。また、東南アジアではシュリーヴィジャヤなどが大乗仏教を受入れ、その遺跡は王国の領域であったタイ南部からスマトラ、ジャワなどに広がっている。インドネシアのシャイレーンドラ朝のボロブドゥール遺跡なども著名である。東南アジアにおいてはインドと不可分の歴史的経過を辿り、すなわちインド本土と同様にヒンドゥー教へと吸収されていった。

紀元前5世紀頃…インドで仏教が開かれる(インドの仏教) 
紀元後1世紀…中国に伝わる(中国の仏教)
3世紀…セイロン島(スリランカ)に伝わる(スリランカの仏教)
4世紀…朝鮮半島に伝わる(韓国の仏教)
538年…日本に伝わる(日本の仏教)
7世紀前半…チベットに伝わる(チベット仏教)
11世紀…ビルマに伝わる(東南アジアの仏教)
13世紀…タイに伝わる(東南アジアの仏教)
13〜16世紀…モンゴルに伝わる(チベット仏教)
17世紀…カスピ海北岸に伝わる(チベット仏教)
18世紀…南シベリアに伝わる(チベット仏教)

[編集] 関連項目
ウィキクォートに大乗仏教に関する引用句集があります。唯識
中観派
六波羅蜜
大乗非仏説関連

大乗非仏説
出定後語
教相判釈
葬式仏教
山岳仏教

カテゴリ: 仏教
終更新 2008年5月2日 (金) 07:15。 Wikipedia®