塩哲の色不異空

日々の思いを気の向くままに

ミュージアム巡り グルメが彩る 大和物語 若菜

2021-01-29 05:50:26 |  ミュージアム巡り_2021
 天歴年間(947〜957)に原型が成立したと考えられ、約170段
からなる歌物語「大和物語」(成立:平安時代中期、作者:未詳)。
同物語は「伊勢物語」ほど普及しなかったが、当時の和歌にまつ
わる伝承が纏められ、後世の説話文学の基礎となる。展示資料は、
慶安元年(1648)に出版されて紅葉山文庫旧蔵書。

 内容は、後に出家して遍昭(良岑宗貞)が都の五条の貧しい家の
女と契りを交わした時、庭で摘んだ若菜の蒸し物を提供されたと
いう逸話が収められている。この精一杯のもてなしに宗貞は、そ
の後食べたどんなものよりも美味しかったと言っている。

 遍昭は僧正まで昇り、六歌仙の一人に数えられている。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り グルメが彩る 古今和歌集_2 若菜

2021-01-28 05:45:37 |  ミュージアム巡り_2021
 次の書は、正保4年(1647)版の「古今和歌集」上巻。

 光孝天皇がまだ即位する前、ある人物に若菜を送った際に添えた
和歌が展示されている。若菜は春の訪れを告げる野菜で、若菜を摘
むために野遊びに出かける風習があり、しばしば和歌の題材に用い
られている。

 光孝天皇は、朝廷内の権力を握りつつあった藤原基経の意を受け
55歳で即位。この時、基経が政務を担ったことが時の関白の始まり
と言われている。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り グルメが彩る 伊勢物語 塩

2021-01-27 05:42:40 |  ミュージアム巡り_2021
 次の書は、在原業平をモデルとしたと考察される“男”の生涯と恋
の遍歴を、和歌とともに記された歌物語「伊勢物語」(成立:平安
時代前期、作者:未詳)。平安時代中期には既に流付しており、江戸
時代には大量に出版されるなど後世に影響を与えている。
 展示資料は、江戸時代初期に書写された書で和学講談所旧蔵書。

 内容は、陸奥国塩竃は平安時代から製塩地として知られ、時の左
大臣・源融が塩竃の風景に感銘を受け、自邸の庭に再現したと伝承
がある。源融は嵯峨天皇の皇子で臣籍降下し、都の六条河原に壮麗
な邸宅・河原院を営んでいる。

 同物語の中にこの庭に感激したある翁が詠んだ歌があり、製塩
景色に趣があると表現している。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り グルメが彩る 松風むらさめ 潮水

2021-01-26 05:42:51 |  ミュージアム巡り_2021
 次は、在原行平の伝説をもとにした謡曲「松風」をはじめとした
御伽草子。須磨に流された行平が海女の松風・村雨という姉妹と出
会って契りを交わすシーンの「松風むらさめ」(成立:室町時代〜江
戸時代初期,作者:未詳)。行平は在原業平と同母兄で、学問所・奨学
院を創設している。

 行平が須磨に蟄居した伝説は、やがて同地で出会った海女の姉妹
との悲恋に脚色され、謡曲・松風などを生み出した。御伽草子「松
風むらさめ」はさらにこちらを元にした短編物語で、展示頁の挿絵
には潮水を汲む姉妹が描かれている。
 展示資料は、万治2年(1659)に出版された絵入り本で、狂歌師だ
った鹿都部真顔の旧蔵書。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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ミュージアム巡り グルメが彩る 古今和歌集 藻塩草

2021-01-25 05:44:32 | 麺_2021
 次の書は、我が国最初の勅撰和歌集「古今和歌集」(成立:延喜
5年・905年下命、下命者:醍醐天皇、編者:紀貫之・紀友則・凡河内
躬恒・壬生忠岑)で約1,000首が収めら、優美で典雅な和歌が特徴、
当時の季節の移ろいや恋に対する美意識は、後世に影響を与えて
いる。
 展示資料は、正保4年(1647)に出版された「二十一代集」の内
の1冊、紅葉山文庫旧蔵書。

 この在原行平の和歌には、涙を流す様子の喩えとして、潮水が
垂れる藻塩草を引き合いに出している。藻塩草は海水をかけて焼
き、その灰を水に溶かして煮詰めることで製塩する海草。当時の
貴族たちにとって海のない平安京に暮らしていると、製塩の風景
は異国情緒をかきたて、たびたび和歌の題材になっていた。
NAJ(千代田区北の丸公園3-2)

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