隠久日記(こもりくにっき)

士やも 空しくあるべき 万代に 語り継ぐべき 名は立てずして  山上憶良

至高の防災対策

2018年10月15日 | 徒然

前回記事の補足

「僕は未だ若いが、恐らく明日はもうこの世にはいまいと考えずに床に這入った事はありませぬ。而も、僕を知っているものは、誰も、僕が付合いの上で、陰気だとか悲し気だとか言えるものはない筈です。僕は、この幸福を神に感謝しております。」モーツァルトの手紙

長谷川資朗のホームページ 画房「初瀬」

朝と夕

2018年10月13日 | 徒然

久々の落ち着いた週末。ここ数週間、連続してやって来る台風のために植物園の遮光ネットを外したり鉢を屋内に退避させたりあくせくする日が多かった。

先日観た荒唐無稽のアクション映画で、犯罪組織に命を狙われる少女と彼女を守る男が、万全と思える対抗処置をとった後で、

「もう、安全?」

「1日1日に感謝して生きよう」

この剛健マッチョな俳優が、モーツァルトに見えてくる。

巻向の 山辺とよみて 行く水の 水沫のごとし 世人我等は   柿本人麻呂

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通行禁止と銅版画

2018年09月23日 | 徒然

山の珈琲店へ行く途中で何やら造成している。入り口にはチェーンが渡してあり「通行禁止」と札が付いていた。別に「立ち入り禁止」ではなく、ここを通って造成地へ行くなという意味に解釈し、チェーンを跨いで撮影に入る。後で人しか通れない別の入り口も見つけたが、そちらの方には何の障害物もなく出入り自由である。解釈に間違いなし。



青貝の切り出しを30枚ほどやった。円状の小片ばかりなので割れる心配も少なく思ったほど難儀しなかった。

刃物の手入れは作業が終わったらすぐにしておく。耐水ペーパーを安価な砥石にテープで固定して研ぐ。こうしておけば次回も気持ち良く作業に入れる。職人の心得である。

この螺鈿カット作業では学生時代の銅版画の経験が役に立っている。刃物を自作したり研いだり、ただ研ぎの道具は昔はアルカンサスの高級砥石を使っていたが耐水ペーパーで充分、これだと砥石の手入れも要らない。

五年前に初めて青貝を切った時、色々な道具を考えた。遙か昔に処分してしまったビュランも買って数十年ぶりに研いでみた。デザインカッターも試した。結局、用途に合わせて刃物を自作するのが一番良い。

その刃物で貝を切る感覚は、銅版画で言うとエッチングニードルでエングレーヴィングしている感じだ。ドライポイントでひっかくようにやったら割れてしまう。懐かしくて新しい技法である。

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写真

2018年09月15日 | 徒然

撮影に特別な時間を割けないことを思うと、できるだけカメラを携えていたい。

これは先日、地下鉄の駅から友人の個展会場への間に撮ったもの。人にカメラを向けられない身にとって最も苦手なシチュエーション。



豆を買いに行った珈琲店の駐車場脇に繁みを見つけて撮影。

抽象も捨象も中途半端で撮影者の意図が伝わらない写真をどうするか、牛歩でも精進あるのみ。

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禁句

2018年09月11日 | 徒然

先日観た映画の中でウッディ・アレンが、作家志望の青年に向かってヘミングウェイにこんなことを語らせていた。

「ヘタな文章は不快、上手でも嫉妬で不快。」

「作家の意見など聞くな、作家同士はライバルだ。」

「男らしくないぞ、堂々と胸を張れ、我こそは1番だと!文句があるなら外に出ろ。」


ふと穏やかな熊谷守一の例外的な言葉を思い出した。絵の指導に文句を付けた人に向かって、

「先生に教わるようなことで、ロクな絵描きが出たためしがあるか!」

つられて何か言ってみたくなる。

「謙虚に意見を聞く人は、度外れた傲慢さを隠している。」

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