訪問理容

私は理容師、お店を構えてチョキチョキ

出張理容もやっている、



今日のお客さんは夫婦で病気と戦っておられる、
いつもはお二人一緒で散髪の依頼だが、本日は奥様一人の依頼
何度も脳梗塞で倒れただんなだが、今回の入院は深刻らしい、
「前回の散髪でGIカットにして、すごく喜んでいたのになあ」

奥さんは1日おきの透析に、深刻な糖尿病
2月ほど前に左足の親指を切断したと見せてくれる
椅子に座るのにうまく立てない
脇を抱えてあげる、「軽い」

カットしながら身の上話を聞きつつ、それとなく勇気付ける言葉を探す自分、
いつもは前向きで気丈な性格だが、自分の身体が不自由になり、だんなの事もあって少し愚痴が増えたみたい

「頑張れ」とは言わない、同情もしない、とにかく聞いてあげる事

刈り終わって鏡に映る顔は明日への生気
「ああ、気持ち良くなった、今度クリニックでみんなと会うのが楽しみだわ」
嬉しい、そしてこの言葉で自分の仕事を再認識する。

心のケアが大切な訪問理容

一番辛いのは依頼が途切れた時、
ヘルパーさんと連係プレー、
後は任せて、次の依頼を心待ちに後にする。

2～30年後には自分も一緒、
その時も今と同じ、前向きな気構えでいたいなあ