江東区図書館生活

本棚の本をずいぶん少なくすることができました。

「で?」の一言で、部下の意欲に火をつける──人を動かすコーチの9つの習慣 (講談社+α新書)

2011-10-16 13:08:46 | ★★★★☆もう一回ぐらい読みたいかな
「で?」の一言で、部下の意欲に火をつける──人を動かすコーチの9つの習慣 (講談社+α新書) (講談社プラスアルファ新書) [単行本]
鈴木 義幸 (著)



場所:江東区図書館

コーチAの社長さんの本。
コーチの何人かからも聞いてましたが、会長の伊藤さんは相当のドSエピソードがちらほら;)

タイトルは少々キャッチー。
「で?」の使い方がのってないわけではないですが、ほんの少し。
しかもかなりの高度テクニック、つかいこなすのは難しい。
というわけで、タイトルはちょっとずるい感じ。
よくあるタイトルだけで買わせる本とは違い、ちゃんと中身があったから、結果的にはいいんですけどね。

コーチング初心者の落とし穴。
本当に聞くのではなく、聞いている姿を相手に見せるだけ。
これは相手のために聞いているのではなく、自分のために聞いている。
これに気づけないと本物のコーチにはなれない。
人に見られている意識に縛られると、人の話は聞けない。
自分を振り返ってみて、反省するところ大。
反省。

ボイス・イン・ザ・ヘッド。
先入観を持って人の話を聞くと、早合点してしまう。
最後まで聞けない。
これまた反省。
先入観を持つことやレッテルを張ることは、人間として避けがたい性質。
これからは逃れられない。
だとすれば、無意識にやってしまう自分がいることを認識して、意図的に先入観を打ち消しながら話を聞くことをしないといけない。

ホワイトスクリーン。
先入観やレッテルが無く、人の話を聞ける状態。
上にも書いたけど、意識的にこの状態を作る必要がある。
やってみよう。

人にはなぜか触れない話がある。
面談をしていて、これまで話をしてくれたことについて深堀をしていくことは、それなりにできてきた気がします。
ですが、話をされなかったことについて注目できていたかは不明、おそらくそこに注意は向けていなかったと思う。
触れたら触れたで、触れなかったら触れなかったで、それには意味がある。
なるほど。
もしかすると、触れなかった方に本質があるのかもしれない。
これは新たな視点。
最近気づかされたことに、ゴールを100点だとしたら今何点?、今答えてくれた点数は具体的にどういうこと?、という質問の仕方がある。
何点か聞いて、ゴールとのギャップに注目して、それを埋めるにはどうする?、という会話は良くしていました。
これは出来ていないことに注目している。
そうではなくて、出来ていることに注目するのはすごい新鮮でした。
出来ていることを承認してあげた上で、出来ていない方に目を向けたほうが、スムーズに進みそうです。
これまではこっちばっかり気にしていたけど、反対側にも注目すべきことがあるかもしれない、これは新たな気づき。
他にもいろいろとありそう。
意識してみよう。

「で?」たった一言の力強い質問。
53ページから56ページまで、この本のタイトルになっているけど、たったこれだけ;)
伊藤会長のドSエピソード。
無理難題をふっかけられて、できない理由をいくら説明しても、そのたびに「で?」
そのうえ、私はこうする、こうしたいと宣言するまでこの「で?」は終わらないと気づく。
「で?」は相手の自発的な「決め」とそれに伴う行動を引き出すことを目的とするコーチングにおいて、もっとも力強い問いかけのひとつ。
ただし、問いかける側にそれまで背負ってきたもの、人間としての迫力が必要。
「で?」の一言で、
・自分で何かやらないと、この状況は変わらないな
・いつまでも周りに対する不平や不満を言っていても始まらないな
・世の中には変えられることと、変えられないことがある。変えられないことを嘆いていても始まらないんだな
そういうことを丸ごと全部想起してもらえるような氷上ができるか、声が出せるか、コーチとしての力量が問われる。
かなり高度なテクニックというか、人間力が求められる技。
というわけで、この本のタイトルになっているにもかかわらず、この本を買うような人には使えそうも無い技;)

指示、リクエスト、提案。
指示は役割や地位を根拠にしたもの。
リクエストは、個人である私から個人であるあなたへ発せられるもの。
提案は選択権を相手に渡すもの。
そうか、リクエストは、形式的には提案だけども、内容は指示なのだな。
だからうまいリクエストは、指示なんだけれども、受け取る側としては自分で選択したものになる。
なるほど。
やらされることとより、自分でやるときめたことの方がモチベーションが高い。
きっとできる上司はリクエストがうまいのだろう。
これも気づき。
この本、いいなぁ。

コミュニケーションの二つの能力。
・自己客観視力
・自己主張力
あー、これも、すごい。
なんとなくわかってたけど、言語化してもらったので、落ちた感じ。
まわりには自己客観視力が高いのがいっぱい、自己主張力が少ないのがちょっと残念だけど、付き合うやつらとしてはすごくいい。
理科系はだいたいそう?日本だけ?
逆に自己主張力の高いのは、うざい。
両方そろっていればいいんだけども、なかなか。

「非論理的思考」の落とし穴。
よく陥りがちなことですが、何かに失敗することで自分はダメな奴だと思ってしまうこと。
それを恐れて行動ができなくなってしまうこと。
例えば?、ナンパ。
失敗したら自分の価値が損なわれるかもしれないと思ってできない。
ある部分での能力が足りなかったり、やり方が悪かったりしたかもしれないけれども、それと自分の価値は別物、とわりきるべき。
脳科学者によれば、ストレスは一端乗り越えると海馬が記憶して、このストレスは乗り越えられると思えるようになる。
出来る人を見ているとそうかもしれないと思える。
自分を振り返ってみて、異動や転勤については、もうストレスなんて微塵も感じないなぁ;)

直感的な印象をいきなり口にする
コミュニケーションを取る際、両方とも、相手は自分のことをこう思っているのだろうなぁと気にしている。
相手の中にある自分のイメージが悪いものにならないか気にしている。
だから、思い切って自分から相手のイメージを提示してあげる。
そうすると相手はそれを気にしなくて良くなる。
例えば、
・ジャズ、好きじゃないですか?
・そのスーツ、ポール・スミスじゃないですか?
・ご出身、九州じゃないですか?
間違っていても、そこから会話が進む。
これは面白い技。
使ってみよう。

「パコ」=許可と同意の技術
パーミッション・アンド・コンセンサス。
ふと思ったんだけど、言ってもいいかな。
この一言で相手に準備ができる。
特にネガティブなことを伝える前にはやっておくべき。
許可を与えてしまえば、聞かざるを得ない。
ダブルバインド、二重拘束。

セルフトークをポジティブに保つ。
なんでこいつこうやねん?、とネガティブに意識していると、どうしてもそっちに流れてしまう。
なにが彼をこうしているのだろう?、改善のためにサポートでいることはないかな?、とポジティブに意識する。
これはできていない。
すぐさまやるべし。

二種類のフィードバック。
・あなたはこうだという事実を客観的に伝える
・あなたのことを私はこう感じたと主観的に伝える
よくやりがちなのは、ある種の権威付けのためかと思いますが、前者の客観的な伝え方をしてしまいます。
ただこれは、見解の相違を生みやすく、私はそう思わないという反論に対して、何も生まないことがあります。
後者は主観なので否定のしようがない。
もちろん、信頼関係がないとなにも伝わらないわけですが。
信頼関係があれば、そう思われているならもっと頑張ろうとか、そう思われたくないから改善しようとか、そういうことになると思う。

「意図」を絶対に疑われないこと。
自分のために厳しいことを言ってくれていると思えば聞ける。
自分がいい顔をしたくて言っているだけと思えば聞けない。

「ドクロマーク」を消化する方法。
人には物語があり、そこに存在するはずの無かった出来事をドクロマークと言う。
例えば、営業一筋で来てこれからも営業でトップを狙うという物語を持っていた人に、突然管理部門への異動の話。
これを消化するには、
1.感情のアウトプット
2.意味づけ
が必要。
先に意味づけから入ると失敗する。
「サラリーマンなんだからよくあること、まぁ、頑張ってくれ」は最悪;)
まず、感情を吐き出させる。
その上で意味づけ。
なるほど。

いいコーチはストーリーテラー。
直接的には役に立たないかもしれないけれど、そこから何か気づきを与えるようなストーリーを話せるのがよいコーチ。
とすると、たくさんのストーリーをストックしてないといけない。
常日頃からアンテナ高く、ストーリーを収集しておこう。
ネタ帳作らないとなぁ。


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