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前ブログ・フォーカス27「時空の先」

息子・その後 3

2007年12月09日 | 前ブログ フォーカス27「時空の先」
「時間です」と3人の先生方と看護士が2人迎えに来た。


移動するベッドに移す際、

先生が「じゃ、ここはお母さんに」と促し、家内がやさしくベッドに移す。


そこからは皆が慌しく機材などを付け替える。

心電図や酸素濃度など何の機材かよく分からないが、
酸素は手術室までは手動のポンプで先生がやるようだ。

そして6階から1階の手術室に移動する。

移動が始まり、私と家内だけついていけるようで、

「がんばれ!がんばれ!」と

必死で声を掛ける。


エレベーターに入る手前で小児科の先生が

「○○先生!止まる!○○をどうのこうの!」と叫ぶ、

何かのブザーらしき音が機材から鳴っている。

全員がさらに慌しく走り回り何かの道具を取ってきたり、

手動ポンプを強く早く握ったりして、その場は凌いだようで、

エレベーターに乗り移動再開。


この時、実感した、

「本当に呼吸が止まる寸前まできている、本当にヤバイんだ・・・」

移動の最中、泣きながら息子を見つめる家内。
私は、こみ上げてくるいろいろな感情を抑え、一点に集中した。

「絶対に大丈夫だ!、絶対無事にこの手に戻ってくる」と信じ切る事に。


手術室に到着し、「ここからは・・」と制止される。

「頑張って来い、お父さんがついているぞ」と息子の腕を撫でる。


先生方が「全力を尽くします」と告げ

いかにも冷たそうなドアは閉められた。



つづく


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