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吹く風ネット

気配2

【2】
 昭和47年秋、その気配の正体ではないかと思われるものに遭遇した。


  中学生の頃だったな。
  居間で昼寝をしていた時に
  玄関の扉をトントンと叩く音がした。
  誰だろうと思いながら
  目を覚ましてみると、そこに
  ぼくの顔を覗き込んでいる人がいた。
  胸に大きな名札をつけ
  モンペをはいた婆さんだった。
  誰だか思い出せない。
  というか、知らない人だ。
  ということは『夢だ』と
  単純でのんびりした性格だった
  当時のぼくは思い、また目を閉じた。


  しかしおかしい。玄関のトントンは
  ずっと続いているのだ。
  『やはり夢じゃないのか』と
  再び目を開けてみると、まだそこに
  先ほどのモンペ婆さんが立っている。
  起き上がって「誰だ!?」
  と言おうとした。ところが
  体が動かない、声が出ない。
  その状況にイラついたぼくは
  そのモンペ婆さんを振り払おうと
  力任せに手を振った。その瞬間
  場が変わったように感じた。と同時に
  モンペ婆さんはいなくなっていた。


【3】
 昭和48年冬、二階の6畳間で昼寝していた時のことだ。一階から誰かが階段を上ってくる音が聞こえた。母は仕事に行っていない。当然昼寝する前に鍵はかけていた。しかし、誰かが上ってくる。そしてその音が10段目の階段を上り終えた時だった。なぜかぼくは意識を失ったのだ。そのあとのことは何も覚えていない。家の中を物色されたあとはなかったので、泥棒でないことはわかった。では、いったい誰が、何をしに来たのだろう。


【4】
 同じく昭和48年冬。ある晴れた日の夕方、ちょうど庭にいる時だった。頭の上に妙な気配を感じ見上げてみると、二十個ほどの豆球大の灯りが、編隊を組んで飛んでいるのを見つけた。それは数メートルほど上を飛んでいたので、最初はラジコンかだろうと思っていた。ところが音はしないし、一つ一つの灯りに意思のようなものを感じる。そこでぼくはその灯り軍団を追いかけた。ところが一分ほど追いかけた所で気配は消え、軍団は消えてしまった。


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