津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■ご恵贈御礼ーくまもと文学・歴史館友の会 第29号「湧水」

2021-12-28 09:07:11 | 先祖附

                                                                  

    今年の熊本史談会で「蒙古襲来絵詞・白描図」の展観を行ったとき、ビジターとしてこの「湧水」に「蒙古襲来絵詞異聞」を書かれた寺山よしこ様が出席された。
その折、その掲載誌である28号を拝受したのだが、今般その後編が掲載された29号をご恵贈給わった。

誠にありがたくお礼申し上げる。
寺山さまは俳句の同人にも所属される俳人でもあり、今回の俳句の欄にも「目高」と題する10句が掲載されている。
また史談会の会員でもあるOS氏の句が掲載されていることを知ったことである。

前編はそのごプリントアウトして会員に配布したところだが、後編も1月例会に於いて配布することをお願いしたいと思っている。深く感謝申し上げる。

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■川田順著・細川幽齋「歌仙幽齋」 選評(二十)

2021-12-28 06:51:33 | 先祖附

      「歌仙幽齋」 選評(二十)

 久方の空に積れる白雪や明けゆく不二の高根なるらむ

 雑部「禁中に富士の山繪にかきたる御屏風奉りし時」と詞書あり。何年の事とも審
でないが、禁中に物を獻上するといふのだから、功なり名遂げた晩年のことに相違な
い。繪は何人に描かせたかも不明だが、事が事とて、山樂とか興以とか等伯とか松友
とかいふ第一流の巨匠に依頼したことは疑ひない。富嶽を畫題に擇んだのは、幽齋自
身であらねばならぬ、又、右歌は、その屏風への畫賛ではない。一首は解説を要せぬ
ほど、單純に、さうして清々しく詠めてゐる。何等奇抜な見どころもなく、かやうの
歌は古來たくさん有りさうなものだが、探してみると案外にない。

 久方の空に積もるとみゆるかな木高き峯の松の白雪 (新千載集)
 ほのぼのと明けゆく山の高根より横雲かけてふれる白雲 (新拾遺集)

かやうの次第で、幽齋の一首は倍々光る。


 ねがはくば家に傳へむ梓弓もと立つばかり道を正して

 雑部「祝」。厳格なる武將の幽齋が、一首に顯現する。希くは、我が武門細川家に、
弓矢の道を正しく傳へ度しと、八幡大菩薩に祈願したのであらう。第四句「もと」
は、弓のもといひ、末といふので、第三句の「梓弓」を受け、同時に。道の根源の意に
用いたのである。黒田如水の歌にも、

 末までもためし引かばや梓弓とり傳へつるもとを正して

といふのがある。細川家は幽齋の子に名將忠興出で、その子孫永く熊本藩主として榮
え、明治に至つた。日露戰爭での名譽の戰死を遂げた陸軍中尉長岡護全子も、幽齋の後
裔である。右祈願の歌の如く、細川家の弓矢は正しき道に依つて傳へられたのであつ
た。

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