津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■お安く読む 角川文庫「武士の職分―江戸役人物語」

2016-12-11 16:03:41 | 書籍・読書
   武士の職分 江戸役人物語 (角川文庫)
 
       KADOKAWA

内容説明

役目を減らすことは、役人の席を奪うこと。己の存在意義と既得権益をめぐり、武士たちは熾烈な競争を繰り広げた。世襲を旨とする幕府が、唯一実力主義を徹底した医師。大名・旗本が敵に回すことを最も恐れた奥右筆。親兄弟であろうと罪を暴き、なりふりかまわず手柄を求めた目付。人も羨む出世と引き替えに、お手討ちもありえた小納戸―役人たちの闘いと身につまされる宮仕えの日々を、新たな筆致で描く渾身の書き下ろし。

目次

変わった役職についてのまえがき
第1章 表御番医師の章
第2章 奥右筆の章
第3章 目付の章
第4章 小納戸の章

著者紹介

上田秀人[ウエダヒデト] 
1959年大阪府生まれ。歯科医師。97年に第20回小説クラブ新人賞佳作に入選しデビュー。2010年『孤闘 立花宗茂』で第16回中山義秀文学賞受賞。2014年「奥右筆秘帳」シリーズで第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■上り女

2016-12-11 09:15:46 | 歴史

 熊本藩年表稿の正保三年十二月十一日の項に、「お竹様へ上り女一人遣わる、給三石」とある。
お竹様とは忠利の二女で後に家老・有吉頼母佐英長に嫁いだ人だが、寛永十四年生まれであるからこの時期11歳である。
上り女とは刑死した罪人の女房や女子で、役所や奥向きなどで使役される人の事をいう。
男子は連座で処分されるが、女子についてはこの様な軽やかな処分で済んでいる。
鎌田浩氏著「肥後藩の庶民事件簿・日本近代自由刑の誕生」では、「上り者」と立項して詳しく触れられている。
延宝二年(1674)九月廿九日の記録には次のようにある。
    長寿院(お竹様)   五人
    香雲院(細川興秋女) 五人
    円乗院(細川幸隆女) 四人
幼い娘を連れての者がいるかと思えば、わずか二歳でただ一人「上り女」となっている人物もある。最高齢は六十六歳である。
処刑者の家族保護という意味合いが強い方法である。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする