津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

ふじという女性

2012-06-04 10:09:08 | 歴史

5・26の放送を見落としてしまったので、6・2は30分前から待ち構えて拝見した。
細川佳代子夫人が、ガラシャ夫人の足跡をたどられて改めてその生き様に深い感銘を受けられ、其の生涯が安らかで自信に満ちた豊かなものであったことを実感されたと仰っている。地元KKTの開局30周年記念番組だが、なかなか立派な構成で納得いく番組と成っていた。

ここに「ふじ」というキーワードがみえる。一つはガラシャ夫人隠棲の地・三土野の地にのこる、ガラシャ夫人手植と伝えられる「藤」だが、老木に絡みつき天に向かって未だ高みをましながら季節を迎えると美しい花を咲かせるという。ガラシャ夫人の切ない想いを感じさせる思いがする。 

今ひとつは、」東京大学史料編纂所・金子拓先生のお話にあった「ふじ」という女性である。ガラシャ夫人が遺言として忠興に対し「ふじを正室としないで欲しい」という強い意志をあらわした言葉が存在するということである。私はまったく知らなかったが、一級資料をもって論じられる先生の言であり、その史料がどのようなものであるのか、どういう人物であるのか知りたいところである。

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家康三女振姫の生母について

2012-06-04 09:17:54 | 歴史

過日家康三女振姫(蒲生秀行室、浅野長晟再嫁)についてふれた。  書状を読む(十一) 振姫の死
その際ウイキペディアを引用したが、振姫の生母について誤りがある旨のコメントを今回ツツミ様からいただいた。
このことについては私はまったく知識をもたず、有難い御指摘として項を改めここに御紹介する。

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ウイキペディアの振姫の項目。母親を穴山氏(武田信吉母下山殿)としてあるのは、間違いです。「お竹の方」というのは正しいのですが。振姫の母は、古くから下山殿と混同されていたようで、「譜略」に於いても、振姫母お竹の方の法名「良雲院」の条で、下山殿の来歴とお竹の方の葬地・法名などがごちゃ混ぜにして述べられています。この辺りは、「幕府祚胤伝」の記述が、しっかりしている様です。幸い私の持つ本には、ページを跨ぐ良雲院の説明の余白部分に、細かい字でびっしりと次のような補注が記されています。他の「譜略」には見られないものかも知れませんので、ご紹介しておきます。

良雲院ヲ下山殿トシ信吉君ノ母堂トスルハ誤ナリ良雲院ハ蒲生秀行ニ嫁シ後浅野長晟ニ嫁シ給フ姫君ノ母堂ニテ市川十郎右衛門(イニ十右衛門)女也寛永十四年丁丑三月十二日卒浅草西福寺ニ葬ル  信吉君ノ母堂下山殿秋山越後守虎康女ハ天正十九年辛卯十月六日卒ス法名長慶院又日上妙真院ト号ス下総國葛飾郡小金邑本土教寺二葬ル其墳ノ上ニ有一松樹土人呼曰日上松貞享元年五月水戸光圀卿建給フ碑銘ニ詳ナリ外戚婦女傳巻五長慶院ノ傳ニ見ユ林家ニテ著述ノ列朝系譜ニモ良雲院ヲ信吉君ノ母堂トシ長慶院ヲノセズ  忠寄考』

それから、振姫の輿入れについて、「譜略」を始め多くの書物では、元和元年十一月浅野但馬守長晟に再縁、同二年三月廿五日紀州和歌山へ發駕、四月七日長晟の館に入輿、とします。ところが、『東武実録』では、「元和三年」の三月廿五日に江戸出輿和歌山に赴く、とされています。振姫は、この五ヶ月後に光晟を産んで亡くなりますので、「東武実録」は明らかに間違っていますが、元和二年では、駿府で家康が病に伏している最中であり、そこを素通り(立ち寄ったかもしれませんが)して入輿したはずは無い、と考えての事と思われます。それが実際に行われたという事は、秀頼を滅ぼした後で、浅野家を、政略結婚で取り込む事が、いかに大事な事だったかという事だろうと思います。振姫が、命と引き換えに果たした役割は、とても大きかったようです。

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ウイキペディアの記述を鵜呑みして簡単に引用してしまうが、今までにも随分間違いに出会ってきた。
今回のような御指摘を通して歴史の真実を知ることが出来ることに感謝申し上げる。 

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