津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

兼見卿記--閑話休題

2008-07-11 10:46:54 | 歴史
 「細川氏の動向--兼見卿記」は7回に至った。「兼見卿記」は「史料纂集」としては二巻が発刊されている。又先にご紹介したように(ぴえーるさんのご紹介だが・・)、その後の物については天理大学図書館の岸本眞実氏により、現在文禄二年(一)から慶長二年十二月(九)までのものが、同図書館報「ビブリオ」により見ることができる。誠にありがたいことであり、同氏のご努力と公開に感謝しなければならない。

 兼見と細川幽齋は従兄弟の関係であり、細川氏に係わる記述は結構あり、大変貴重な史料である事は衆知の事実である。7回で「閑話休題」としたのは、ちょうどこの時期本能寺の変が勃発している。驚く事に兼見は信長が生害したその日に、光秀の元を尋ねて面会している。そのご勅使として派遣され、金子などを受け取っているのである。光秀の天下となると思ったのだろうか。しかし秀吉の天下へと動いて行く。信長の息信孝の使者の詰問を受けている。そこで兼見は日記の改竄を行うのである。「別本」がオリジナルとされるが、「信長生害の後の光秀訪問」が生々しい。細川家に係わる記事についても若干の相違が見られるが。大意に齟齬はない。
「別本」と共に「正本?」が存在するというのが大変興味深いし、保身を図ろうとする兼見の狼狽振りも面白い。「別本」「正本」をしばらく読み合わせながら、先へ進めたいと思っている。道はなかば、まだ1/3といったところである。
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