この短い言葉にかなり影響を受けました。
自分も何か工夫出来ることがあるのではないか?と、未だに考えているわけです。
一年半の間に、ほぼ全ての会議や講演、研修、学会、飲み会までもがオンライン化され、画面越しにたくさんの方と何回話したことか、わからない位です。
画面越しだからこそ、遠くの小さなスライド映写を見ていた以前よりも、わかりやすくする方法はないか?
表情まで見えるからこそ、想いや熱が伝わり、化学反応のような体験を届けられないか?
往復の時間をかけなくても、記録に残り、好きな時に見られるからこそ、今まで参加できなかった人も含む、一人ひとりの手のひらに届けるには、どんな準備をすればよい?
考えては試すの繰り返しの結果、パソコンが入れ替わり、カメラが増え、レンズやマイクなどの機器沼にハマり、動画ファイルでクラウドディスクは空きがなくなり、カーテンは緑色になりました。それでも「オンラインで最高の授業」には、まだまだ届きません。修行は続くのでしょう。
そういえば自粛の日々にまだ慣れない頃、心が不安定で、感情のやり場に困った時に、音楽や芸術のありがたみが身にしみました。心に響くってこういうことか、と体感しました。そのパフォーマンスの結果だけでなく、そうする動機、そこに至るまでの準備や時間の積み重ねが伝わってくるからこそ、その人に思い入れを持てたり、感動したんだと思います。
スポーツの感動も似た部分がありますね。大会のその日に向けて、準備を重ね、コンディションを整えながら、ピークをその日に持ってくる。オリンピックは四年に一度だから、今回しか、という巡り合わせもあり、尚更大変。
精神的、心理的な安心感の中でのみ、すぐれたパフォーマンスは発揮されるのだから、感染症に翻弄される本大会は、心理的安全性から見ても本当に厳しいものでしょう。
いっそのこと、完全無観客にする代わりに、新しいeオリンピックとして、高性能な360度カメラや音響技術を駆使して、AIと最高速コンピュータによるVR体験とか映像音響体験として、世界中の人々の手のひらや身の回りに、スポーツの八景による感動を届けることができたら、より多くの人が喜んでチケットも買うし、体験するための機器の沼に進んでハマっていくでしょう。(私もハマる・・・。)
ライブで見ている人々が押した応援ボタンの波が、会場の選手を包む空気に伝わったら、感染症の心配がない安心感の中で、よりパフォーマンスを発揮して、離れていてもお互いに価値を共有できる瞬間になるかもしれません。
夢のような絵空事代替案だけど、レガシーになるし、感染症に打ち勝った証だし、何よりのおもてなしだと思ったりします。日本なら出来ると本気で思っています。
さて、リハビリテーションに向き合う多くの人達を応援する私達の職場はどうでしょうか?
一人ひとりのしたい事、そうする動機や、そこへ向かう日々の準備や時間の積み重ねに集中出来るよう応援できているかな?と、考えます。
人生の大事なその日に向けて、準備を重ね、コンディションを整えながら、ピークをその日に持っていく。オリンピックに臨む選手と気持ちは同じかもしれません。
そのためにも、我々は応援する技術に磨きをかける必要があるし、心理的安全性の中でパフォーマンスを発揮してもらえるよう、まだまだ学ぶべきことがありますね。リハビリテーションに向き合う専門職チームである私達自身の環境も、自分たちの手で、そのようにしていく事が必要だと感じています。やれる事はたくさんあります。
感染症とオリンピックに触発されて長々失礼しました。
今大会にかける選手を応援する一人として願います。
ガンバろう、日本。
地域リハ推進部
岡持利亘
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