ひとひらの雲

つれづれなるままに書き留めた気まぐれ日記です

江戸のレンタルショップ

2018-05-27 19:24:20 | 日記
 最近ではDVDや衣装などをレンタルするお店が増えました。さらにいろいろなものを借りられる傾向にはあるようですが、下着を借りる人はいませんよね。ところが江戸時代にはあったんです。損料屋(そんりょうや)というレンタルショップがあって、大抵のものはそこで借りることができました。何しろ江戸庶民が暮らす裏長屋は狭いですからね。そんなに物を置いておくところがないんです。江戸庶民の自前の持ち物は、茶碗とお箸くらいのものだったそうです。鍋や七輪も借りて済ませることが多かったとか。

 
 船頭松次郎の長屋内部(深川江戸資料館)


 そう、それで先程の下着を借りる話ですが、実は褌(ふんどし)まで借りていたというから驚きです。それも洗わないで返すんですね。その代わり洗濯代も含まれるので少々高めだったそうです。

 何でそんなものがポピュラーに借りられていたかというと、江戸には地方から出てきた単身者が多くいました。男の人が長屋の共同井戸で褌を洗うのは嫌だったのでしょう。今なら洗濯機もありますし、男性でも平気で洗濯くらいしますけれど、江戸時代の男性にはそれなりの面子もあったようです。


 また何でそんなに物を持たないかというと、江戸は火事が多かったんです。持っていても燃えてしまうことが多いので、借りてしまう方が便利だったんですね。手ぬぐい一本から羽織・袴、屏風や掛け軸まで借りられましたし、田舎から親戚が出てきた場合など、夜具一式借りることもできました。貸す期間も数時間から数年といろいろあって、日の出ている間だけ貸すのが「昼貸し(烏貸)」、日が落ちてから日が昇るまでの間貸すのが「夜貸し(蝙蝠貸)」といいました。


 借りる時は「損料(レンタル料)」の他に保証料を預けます。品物を返す時に保証料は帰ってきますが、壊れていたりすると修繕費としていくらか差し引かれます。

 祭の時には浴衣や褌、花見の時には弁当箱や敷物が多く出ますが、茶番劇をするための衣装や鬘(かつら)を借りにくる人も多いそうです。こちらは早く借りに行かないと、衣装がチグハグになってしまったりするので競争です。

 ちょっと珍しいのは犬や猫を数ヶ月単位で借りられること。可愛がるだけ可愛がって、面倒になったら返すことができるってちょっといいかも、です。

 また人を借りることもできるんですね。例えば自分の代わりにお墓参りに行ってもらうとか、謝罪に行ってもらうとか、便利な使い方があったようです。

 今のように経済が発展し、消費社会になっても、「借りられたらいいな」と思うもの、結構あるのではないでしょうか。


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