ひとひらの雲

つれづれなるままに書き留めた気まぐれ日記です

戦国武将たちのサイン

2018-08-05 19:33:05 | 日記
 最近はパソコンなどという便利なものができ、書類を作成するのも楽になりました。ちょっとした手紙なら自署もせずに印刷のまま出してしまうこともありますが、重要な書類(契約書等)となると自署と印鑑(印章)が必要になります。


 印章と呼ばれるものは古くからありましたが、「後北条氏と虎の印」でも書きましたように、華やかになってくるのは戦国時代からといえましょう。信長の有名な「天下布武の印」もその一つです。これらの印が使われた文書は印判状と呼ばれますが、そもそもは文書の差出者が誰であるかを証明するためのもの。印判が使われる前の時代には花押(かおう)というサインのようなものが使われていました。花押の起源ははっきりしませんが、平安時代頃から現われ、次第に発展したものと思われます。

 そして武家時代になると複雑かつ多様になって、またまた華やかになってくるんですね。現代の芸能人にも負けないくらいのものがありますよ。
「日本古文書学」より

 花瓶に花が活けてある感じですけれど、こういったものが官途受領名とともに書かれているんですね。花押はまた書判(かきはん)ともいって、印判(印章)と区別されています。さらに花押には草名(そうな)体、二合体、一字体…などの種類があって、草名体は名字を草体にして作るもの、二合体は名乗りの二字の一部(篇や旁など)を一緒に合わせて作るものをいいます。
「日本古文書学」より

 これは一字体の例で、一字を選定して作るものですが、多くの場合は縁起のよい文字を選びます。例外として名前の二字を一定の法則により組み合わせたものがあり、秀吉の場合は秀と吉を合せて作られたものと思われています。

 また別用体の例としては、有名な伊達政宗の鶺鴒(せきれい)の花押があります。これは絵文字ふうとでもいったらいいのでしょうか。
「日本古文書学」より


 他には明朝体といわれるものがあり、例として徳川家康のものを挙げておきましょう。
「日本古文書学」より

 明朝体は明の太祖が作ったというのでこの名がありますが、本当かどうかはわかりません。ただ明の時代にこの式のものがあったのは事実で、天平地平があるのが特徴です。中間の画はどう変化してもいいのですが、天地の両線は必ずつけるというものです。


 これらの花押は同形のものであっても、その人の生涯に渡っての変化であったり(長くなったり、平たくなったり、萎縮したり、立派になったり)、或いは信長のように何種類も使用する例があるので、文書の年代を推定することができます。


 現代において普通の人がサインを持つことはあまりありませんが、ひそかに持っているというのも楽しいかもしれませんね。


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