ストレス社会だから短歌!

通勤途中に気軽に読めるような短歌を紹介。短歌を通じて見方が変わり、ストレスが減り、元気の素になってくれたら嬉しいです。

日曜の詩(2)

2008年04月20日 | 人間
言いたい。
言いたい。
言いたい。

言いたい人が街を歩いている。
言いたい人が電車に乗っている。
言いたい人がオフィスビルに詰め込まれている。

誰彼となく言いたい。
言いたいは不安か不満か、自慢か自己確認か。
言いたくてたまらない。
街には「鬱憤」という名のエネルギーが充満している。

言いたい。
言いたい。
言いたい。

ところが言う相手がいない。
聴く人がいない。

耳さえあれば音は聞こえる。
でも、心の叫び声は聴こえない、聴き出せない。

聴くのは体力がいる。
頭を上下に動かすことがうなずくではない。
動かない眼。
いや、かすかに動くまばたき。
口元の動き。
もちろん視線。
すべてが「聴く」に通じる。

本当に相手の意見に同意するとき、
上半身の大きな筋肉が先に動き、
両肩の筋肉が動き、
顎をひくかっこうになり、
最後に頭が下がる。

これだけの運動をして、たった一回の「うなずく」が完成する。
「聴く」は全身運動。
そして、言葉を受け止めるだけの魂がいる。

「言うは易し、行うは難し」は昔の諺。
「言うは易し、聴くは難し」が今の都会。

聴けや人。
聴けや人。

せめて聞けや人
せめて聞けや人。

日曜の詩

2008年04月13日 | 人間
海はいとなむ。
寄せては返す波。
飽きることなく、
飽きることも知らず。

肉体はいとなむ。
止まることなき血潮。
飽きることなく、
飽きることも知らず。

心はいとなむ。
愛し愛され、憎み憎まれ。
飽きることなく、
飽きることも知らず。

月は時を刻む、短編物語。
森は時を残す、長編物語。

雲はいつしか嵐になって、滝となる。
種はいつしか実になって、命となる。

いとなむ。
いとなむ。
いとなむ。

生きるは力。
力がかかる。

いとなむは流れ。
乗ればいい。

生きるは宿命。
いとなむは運命。

たくさんの、
たくさんの、
たくさんの、
人が教えてくれた。
ただ、いとなめばいいんだよ、と。