児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

静けさと静かさ

2007年04月07日 | アウトリーチ
最初の2つの音で、130名ほどの聴き手に静けさが走った気がした。こう言うのを吸い込まれるように・・というのだと思う。静けさは、ただの静かさと違い、聴き手の精神的な状態が表に出てきたような感じと言えばいいだろうか。

桜、桜、桜が咲いた出前音楽会、と言う名前のコンサートは今年で6回目になる。毎年4月のこの時期に行ってきた。
このコンサートの主催は築島散歩の会というボランティア団体で、もともとは中央区のバリアフリーの様子を足で(というか車いすで)歩いて確かめつつ、マップを作ったり区に働きかけたりの活動をもう10数年続けている。トリトン・アーツ・ネットワークが出来た2001年に縁があって2002年の春からこの企画を始めた。家に引きこもりがちになってしまったり、なかなか外に出られない老人たちを桜の花見の時期に外に出かけてもらおうというのが趣旨で、花見のあとは音楽を聴いてもらう事にしている。
トリトン・アーツ・ネットワークは演奏家の手配提供を受け持ち、協同的な事業として関わってきている。

今年はヴァイオリンの大森潤子さんとピアノの竹村浄子さんにお願いした。
音楽のために作られてはいないのだが、比較的響きの良い(というか、響きすぎてお年寄りにうるさいのではないかと大森さんが心配するほど)会場で、はじめにヴァイオリンで2曲聴いてもらったあと、ピアノのソロ(トロイメライ)が小さい音で始まった途端のことだった。
その感覚は演奏者も感じていて、終わったあと「トロイメライの時に異様にみんなが入り込んできた」と感じたようだし、大森さんも「老人向けのコンサートでは本当に珍しく演奏に集中してくれているのがわかった」と言っていたから、私の受けた印象もまんざらでもないように思う。

進行はフィールドノートの方に・・・

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