児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

広島の演奏家達

2008年09月07日 | アウトリーチ
広島で、地元の演奏家達とアウトリーチをやっている。
3日の水曜日に今回のコースに参加した演奏家13名のうち約半分の人たちと学校に行き、アウトリーチを実践した。残りは10日に行う。
今回参加したのはフルート二人、オーボエ、クラリネット、ファゴット、チェロ、ピアノ二人、歌四人、マリンバ一人
船越小学校は、今回非常に協力的にやってくれたのだけれど、始まるまで十分には理解をしていなかった部分もあるみたいだ。財団の担当者は学校からの注文にやや意表を突かれた場面もあったようだ。演奏家やチケットも同様であるが、私たちの仕事は「まだ目の前に見えないものを売る」わけだから、相手がそれをどのように受け止めているかは実は当日まで判らないところでもあるのだ。特に実質的な主催者である学校の先生がどのように思ってアウトリーチを受け入れているかはとても大事なことでもあるのだ。ホールで行うコンサートのように比較的ルールとか価値観とかが社会的に認知されているものの場合はまだいいけれど、このようなやり方をしているアウトリーチはあんまり多くないので、先生もいろいろと迷うのだと思う。実は他のところでも、ピアニストが来るのであれば、弾く曲をみんなに弾いてあげて、解釈をしておいたり、プロはすごいと言うことを子どもに判ってもらいたい、という先生の「熱意」にちょっと考えてしまったこともある。これは先生の理解の問題なのか、それとも過去の実例がそのように考えさせる要素があったのかよく判らない(あんまり露骨に質問もできないから)。
いずれにしろ、終わったときは校長先生も、教頭先生も音楽の先生も全然顔の表情が違ったので、きっと思っていたのとは少し違ったのだろう。音楽の先生が演奏家のやりやすいようにいろいろ手伝ってくれたのには感謝である。それに少人数での意味も一応は判ってくれたような感じだった。財団担当の心配もまずは消えたみたいだ。まあ、やっていると、この先色々とあるのだけれどね・・・。
それでも、3日は5年生、10日は4年生、そして10月に6年生と3クラスづつあるこの小学校を半分制覇すると言うのもすごいことだ。来年どうするんだろうと心配なくらいであるが。
今回のアウトリーチや演奏会は、広島市の安芸区民センターが「あきクラシックコンサート実行委員会」という市内の演奏家達のグループと一緒にやっているコンサートの一環。このグループは一応レベル感を会館の担当と演奏家達で話し合って、参加できる人をちゃんと選んでいるみたいなので、オーディションをしないでアウトリーチをお願いするということになっている。少し心配だけれど(演奏家の能力というより意識づけの問題で)少なくとも今回一緒にやってみて、非常に前向きな人が多かったので安心した。それぞれ工夫をしてきているので、意識の方はとりあえず問題なかったように思う。
今回は前日に曲抜きで簡単なランスルーをしてもらったりして、話しながら組み立てていくのの難しさを感じてもらったり、終わったあとで、みんなで感想を述べあったりしてみた。どうだったろうか。その中で非常に達者な話しとコミュニケーションを子ども達と取りあっていたソプラノの人が、「器楽をアウトリーチを聴くと、ものすごく正統的に伝えようとしているので、自分もそうしなければ・・と言っていたのが印象的。嬉しいね。確かに歌の人は曲をきちんと伝えるよりも楽しんでもらう方向に行く傾向はあるのだけれど、でも、それはそれで良いと思うのだけれど。

内容はいずれ、ブログに載せる予定ですが、まだ書けていないのでしばらくお待ちを・・