児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

スチューデントプロデュース

2008年08月28日 | 徒然
足立区西新井のギャラクシティで今年3年目のスチューデント・プロデュースコンサートの準備が始まっている。この企画は地味であるが、注目すべき企画である。担当の方は時間的な拘束の長さや進行を常に先読みし、その上その通りにならない・・ということを乗りこえてやるので大変だとは思うのだけれど、それを決断する財団の人はかなりえらいと思う。ここの財団も、指定管理者制度の波を受けて、来年以降またいろいろと、業務の見直しとかしないいけないみたいでちょっと心配である。こういう教育的なプログラムは極力残していって欲しいのだけれど。
トリトンで吉野さんと高校生プロジェクトをやっているときに、関西のあるホールの館長クラスの方にその話をしたことがあって、なんでそんなことをやっているのか・・といわれて答えに窮した記憶がある。確かに、ある方向性の考え方の中では全く理解できないことなのかも知れない。

今日はチェロの渡辺玄一と3年目になる白石光隆がみんなの集まっているところにやってきて、話をしながら進めていた。
今日のテーマは二人のことを知ることだったみたいで、多分前の週にみんなで話し合われた「二人に聞きたいこと」のリストで質問をし、二人が答えるという回だった。特に渡辺君は非常に誠実に答えてくれていたけれど、誠実すぎてみんなが欲しいものが受け取れるだろうか・・と心配したのだが、若い人の感性は、そこからいろいろなものを引き出そうとしていたみたい。最後に二人がアメリカで国連のビルで演奏したプログラムを見せながら(写真)、カザルスの国連コンサートの有名な「カタロニアの鳥はピースピースと鳴く」の演説の話しをしたのだが、全員がとても真剣に受け取って、演奏を聴いている様子が嬉しかった。
そう言えば「鳥の歌」も久しぶりに聴いた。ちょっと懐かしい。最近は、あのころのように「純粋に企画をする」と言うことがほとんど無くなってしまっているような気がする。年齢とか立場上の必然(若い人が育つように、とか)というのはあるのだと思うが、ちょっと考えてしまったりして・・・。