児玉真の徒然

峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
(真壁仁 峠)

御喜美江さんのコンサート

2006年09月08日 | 徒然
昨日(7日)ティアラ江東の小ホールで行われた御喜美江と野村誠、鶴見幸代のコンサートに行ってきました。
ブログを模した、作曲家二人の交換日記風作品が面白かった。とても面白かったのだけれど、作品というものに対する自分の考え方は明らかに古ぼけて見えるのに気がつき愕然としたのであります。そういう新しさが今評価を受けているのだと思います。一方、御喜さんと言う演奏家は楽譜に対して(というか作品に対して)案外徹底してきちんと向き合おうとするタイプで、それゆえに作品の再演というものの価値をどんどん高めてくれる貴重な人でもあり、この作品が今後御喜さんの中でどんな風に成長していくのか・・彼女の2度目の演奏で驚かされたことが再々あるのでとても楽しみです。再現芸術である音楽のだいじな命題でもありますから。

御喜さんにも言ったのですが、カザルスホールができなくなり、大きな環境の変化があった2001年以降(要するに私が離れてから)、御喜さんの音楽というか捕らえ方というか、が変わってきているように思います。コンサートがとても楽しくなった。前から刺激的ではあったけれど、それにかるみのようなものが加わってとても楽しくなった。それを見るとカザルスホールが桎梏であった要素を否定できない。まあ、10数年にわたって同じ箱で毎年やり続けたわけですから、よい面だけがあるはずもない。
かるみというと、御喜さんはなんか納得できないような顔をするのですけれど、彼女の演奏は、ほかのアコーディオン奏者に比して、はねのはえたような躍動感が明らかに小型オルガンとはまったく別の楽器だと思わせてくれる世界の中でも特別な奏者だと思う。それに磨きがかかってきたような気もする。まあ、演奏家についていうのは私の仕事ではないので、ちょっと書きすぎだな・・。とてもうらやましい、とだけ言っておきます。