ロンドンで開かれていたG7(7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議)は、12月3日閉幕した。
原油高からのインフレ懸念を声明文に盛り込んだ。しかし、人民元切り上げ問題は、中国に更なる柔軟な為替政策を期待するとの文言を入れるにとどめた。
週末のドル相場は、1ドル=120.54円、1ユーロ=1.1717ドルとドル堅調を確認した。米国の雇用統計が12万増加を示すなど米国景気堅調を示すデータが相次ぎ発表されている。米国経済の不安定要因である①巨額の貿易赤字と②住宅バブル崩壊が際だって表面化しない限りドル堅調の地合いが続くとの見方は多い。
ECB(欧州中央銀行)は12月1日、政策金利を0.25%切り上げたが、追加利上げについて、トリシエECB総裁が強く否定したことから、対ユーロでのドル買いの流れが継続している。病み上がりの欧州景気に0.25%利上げから資金が欧州から米国へ流れる可能性が出てきた。
一方、日本では、日銀は量的金融緩和解除を匂わせているが、小泉首相自らがブレーキをかけた。日本のゼロ金利政策は長期間続けられるとの読みから、投機家は安心して円売りスタンスを継続するかもしれない。
ドルは昨年12月を100として現在の相場で対ユーロで12.9%、対円で15.3%それぞれ値上がりした。J.P.Morgann 調べの対通貨バスケット指数でもドルは5.1%値上がりしているとWSJ紙(12月3日)は紹介している。
先週末の金相場は、インフレ〈ドルの目減り〉警戒から、83年2月来の高値となるオンス503.30ドルをつけ、心理的節目といわれる500ドル台を維持し、依然先高感は衰えていないようだ。プラチナもオンス1,000ドルを超えたことから、高値警戒感は消えていないが、金、プラチナへの投機資金の流れが続くとの見方は多いようだ。
原油相場は冬場の暖房油需要期入りから、気温に敏感に反応している。バレル58ドル台から60ドルを伺う動きになれば、インフレ懸念、米FRBの利上げ圧力から、ドル買い材料に利用されるかもしれない。
今回のG7でも日本は何一つイニシアティブをとれなかったようだ。米スノー財務長官の円安けん制発言が直後に米高官に取り消されたことも、アメリカが、1ドル=120円を半ば容認したと受け取れたようだ。
日本のゼロ金利政策継続が世界の投機家のオモチャにされる可能性が強まりそうだ。(了)
原油高からのインフレ懸念を声明文に盛り込んだ。しかし、人民元切り上げ問題は、中国に更なる柔軟な為替政策を期待するとの文言を入れるにとどめた。
週末のドル相場は、1ドル=120.54円、1ユーロ=1.1717ドルとドル堅調を確認した。米国の雇用統計が12万増加を示すなど米国景気堅調を示すデータが相次ぎ発表されている。米国経済の不安定要因である①巨額の貿易赤字と②住宅バブル崩壊が際だって表面化しない限りドル堅調の地合いが続くとの見方は多い。
ECB(欧州中央銀行)は12月1日、政策金利を0.25%切り上げたが、追加利上げについて、トリシエECB総裁が強く否定したことから、対ユーロでのドル買いの流れが継続している。病み上がりの欧州景気に0.25%利上げから資金が欧州から米国へ流れる可能性が出てきた。
一方、日本では、日銀は量的金融緩和解除を匂わせているが、小泉首相自らがブレーキをかけた。日本のゼロ金利政策は長期間続けられるとの読みから、投機家は安心して円売りスタンスを継続するかもしれない。
ドルは昨年12月を100として現在の相場で対ユーロで12.9%、対円で15.3%それぞれ値上がりした。J.P.Morgann 調べの対通貨バスケット指数でもドルは5.1%値上がりしているとWSJ紙(12月3日)は紹介している。
先週末の金相場は、インフレ〈ドルの目減り〉警戒から、83年2月来の高値となるオンス503.30ドルをつけ、心理的節目といわれる500ドル台を維持し、依然先高感は衰えていないようだ。プラチナもオンス1,000ドルを超えたことから、高値警戒感は消えていないが、金、プラチナへの投機資金の流れが続くとの見方は多いようだ。
原油相場は冬場の暖房油需要期入りから、気温に敏感に反応している。バレル58ドル台から60ドルを伺う動きになれば、インフレ懸念、米FRBの利上げ圧力から、ドル買い材料に利用されるかもしれない。
今回のG7でも日本は何一つイニシアティブをとれなかったようだ。米スノー財務長官の円安けん制発言が直後に米高官に取り消されたことも、アメリカが、1ドル=120円を半ば容認したと受け取れたようだ。
日本のゼロ金利政策継続が世界の投機家のオモチャにされる可能性が強まりそうだ。(了)