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原油相場半値で2009年ロシア経済ゼロ成長か(学校で教えてくれない経済学)

2008-10-20 09:50:02 | 経済学
 原油先物相場がわずか3ヶ月で半額になった。一方、為替相場は3ケ月前、1ドル=110円だった。現在、1ドル=100円である。日本は資源のほぼ100%海外からの輸入に頼っている。原油ドル建価格が半額で、1ドル=100円へ日本円の値打ちが上がった。国民にとって朗報である。逆に原油高騰、円安だったらどうなっていただろうか。
ところが、原油暴落で頭を抱えている国がある。そのひとつにロシアがある。10月18日のWSJ紙がモスクワ発でGregory L.White記者がレポートしている。
ロシアは原油を日量980万バレル生産している。サウジアラビアの日量1050万バレルについで世界第二の産油国である。プーチンさんが大きな顔が出来るのは原油のお陰であると以前にも書いた。LTCM破綻でロシアは金融危機に巻き込まれたが原油高騰で蘇生した。
ロシア株は先週一週間で20%値下がりした。2005年6月以来の安値である。ロシア政府は緊急対策として1600億ドル(16兆円)投入したが、株価は今年5月高値から73%暴落となった。巨額の借入金で株を運用していた資産家は株式投資からの撤退を余儀なくされた。
あるエコノミストはロシアのGDP(国内総生産)成長率を2008年1~9月期の年7.7%から2009年のそれを3~4%へ下方修正した。ロシア中央銀行の外貨保有高はルーブル暴落で8月初めからだけで669億ドル(6兆6,900億円)減少した。
民間調査機関LevadaCenterの直近の世論調査では、「金融危機は一時的である」42%、「深刻な金融危機にロシアは直面している」31%と発表した。この調査は1600人を対象に実施され、誤差率3%である。
9月までは、ロシアの金融危機は限定的だと一般に受け取られていた。一部中小の金融機関もロシア政府の緊急融資を受けて倒産を免かれている。失業率も増加していなかった。しかし、10月に入り銀行が貸し出し規制を始めた結果、金属・自動車メーカーは減産を発表、ロシアの景気は急速に悪化してきている。
今回の金融危機発生後初めてのロシア政府高官によるブリーフィングが行われた。「原油相場上昇によりロシアの保有外貨は5,310億ドル(53兆1,000億円)に増加した。ロシア経済と金融危機を乗り切る十分な資金である。しかし今後、莫大な出費を伴う。」と話した。
「73%の急落で株価への影響は既に十分現れている。」と高官は話した。ただ、グルジアでの8月の戦争以降300億ドル(3兆円)の外国人投資が消えた。ルーブル相場下落を怖れて外国人が資金を引き上げた結果である。
先の政府高官はブリーフィングの席で「原油相場は2008年平均ではバレル70ドルであり、国家予算と十分バランスしている。2009年の原油相場は60~80ドルのレンジを予測する。しかし、予算達成にはバレル95ドル原油が必要だ」と話した。
先のエコノミストは「世界の金融不安が2009年にかけて拡大する。原油相場は値下がりする。ロシアの財政赤字は1800億ドル(18兆円)に達するだろう。」と話した。JPモルガンのアナリストは「バレル50ドル原油でロシアGDPはゼロ成長」と予測している。
日本にとってもロシア株価急落、自国通貨ルーブルの暴落危機は他人事でないはずだ。日本はアメリカ一辺倒でやってきた。2009年はロシア欧州にも視野を広げて見て欲しい。(了)

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