写真は当院のモデルさんです。
肝臓部の痛みを訴えるのは、お酒をよく飲む男性か、メチャクチャ甘いのが好きな女性に多いのですが、この方はきゃしゃな女性で、お酒も飲まないし、スタイルにものすごく気を使う方なので、ケーキ等も食べない方です。
しかし、脈診や脊椎診では、明らかに肝臓の疲労(肝虚)が診られましたので、肝を整えることにしました。
痛みを取ってから治療にかかると、治療がしやすいので、最初に肝臓部の痛みを取ることにしました。
「えっと、肝臓に疲労があるみたいですので、その痛みから取りますね」と言いながら頭蓋JAAで頭に鍼を1本しました。
その間僅かに10秒ぐらいです。
「どう痛みは? 取れましたー?」と尋ねると、体を捻ったり、自分で肝臓部を叩いたりしてから、
「あ、はい、取れています」と言う。
「おもしろいでしょう。頭の鍼で肝臓部の痛みが取れるなんて」と言うと、
「おほ!」と笑って納得した様子を見せてくれた。
それから経絡を整え、背部へのJAAをして治療を終了したのですが、念のために再度確認することにしました。
「もう一度、肝臓部の痛みを確認してくれませんか」と言うと、肝臓部を軽く叩いて、
「はい全然痛くないです」と言う。
鍼灸師が、この記事を読むと、「嘘だろう」と言いたくなるかも知れませんが、ほんとうなのです。
肝臓だけでなく、肺や心臓の痛みも取れる方法を発見したのです。(重症や慢性の場合は除きます)
それが「頭蓋JAA」なのです。
今度の日曜日に行なう 臨床実践塾 のテキストを作っているのですが、一つの症状を治すのに、2つぐらいの方法があることがわかりました。
一つは頭蓋JAAで脊椎を狙い、一つは頭蓋JAAで臓腑そのものを狙うのですが、1穴で済むので、なかなか使い勝手のある治療法だと考えています。