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不平不満の日々の生活に病魔が潜んでいる:『認知症の治療と予防』:講師:摂南大学、荻田喜与一教授

2012-02-05 11:52:55 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)


「60歳以上の日本人10人に1人が認知症です」と、2月4日、交野市立保健福祉総合センターで開かれた摂南大学、荻田喜与一教授の講演で聞いた。認知症は、「物忘れ」から始まる。ご飯を食べたことを忘れることは典型的な認知症の症状だ。「妄想」も症状のひとつである。盗まれていないにも関わらず、「財布を盗まれた」というと危ない。「家族にあなたはどなたですか?」と聞く。「徘徊」、「幻覚」と説明が続き、「異食」と言って生ごみや、輪ゴムを食べる。男性が女性介護者に性的行動をとるなども認知症の典型的な症例と話しておられた。

認知症は、大脳の神経細胞が死んでしまうために起こる。その原因はアルツハイマー病18%、アルツハイマー病プラス脳血管症が44%、脳血管症19%その他19%である。血管が破れたり、血管が詰まると脳卒中になる。「隠れ脳梗塞」という言葉が珍しかった。「自発的に入浴をしたがらない」「風呂で体を洗わない」「トイレで水を流し忘れる」「尿失禁」「便失禁」を例に挙げられた。思い当たる人も多いらしい。このあたりになって会場がいわく言い難い雰囲気に変わった感じがした。面白かったのは、お互いの耳たぶを見てくださいと言われ、ここでも会場がざわついた。耳たぶに皺が出来ておれば認知症の予兆ですと言われた言葉が特に印象に残った。

認知症の予防として、昔話や昔話をしながら近所の散歩をする。家族で昔の歌を歌うことも効果がある。筆者の亡父とのささやかな体験では、百人一首を活用した。亡父は能因法師の歌が得意だったらしく「世をうじやまとひとはいうなり」と下の句を読み上げると、ニコッとした。俄然子供時代のカルタ取りのモードになるのであろう。かれこれ30首は声を出して歌えるようになった。子供の頃や若いころの思い出を取り戻すことは認知症の治療に有効だと、荻田先生も話しておられた。

一時間近い講演だったが、荻田先生の口から何度も出た言葉は、脳梗塞で倒れても慌てずにではあるが、早く対応すれば助かるということだった。少しおかしいなと思ったら早く専門医に診てもらう。アルチブラ―ゼなどといういい薬もある。倒れて3時間以内であれば大丈夫だと話した。ただ、この手の薬は副作用がきついからその点は念頭に置かれたらいいとアドバイスされた。

栄養のバランスを取る、体重管理、魚を増やす、塩分を減らすことと続いて、煙草を止めることが大事だ。一日20本煙草を吸う人は煙草を吸わない人に比べて3倍脳梗塞になり易いと喫煙家には耳の痛い話もあった。一方、最近の研究で、神経細胞も新しく生まれていることがわかった。「楽しいなぁ」と思える毎日を過ごすことが大事である。「つまんないなぁ」と思って日々送っている人は認知症になり易いことも分かって来ている。狭い檻に入れたネズミとゆったりとした檻のなかでゲームを楽しむネズミと比べると血管の状態が歴然と違うと紹介された。笑う門に福来る。不平不満の日々の生活の中にこそ病魔が潜んでいる。(了)

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