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チリ沈着リーダー称賛;10月15日付け朝日朝刊(学校で教えてくれない経済学)

2010-10-16 08:20:17 | 経済学
チリ落盤事故33人全員救出関連のニュースで、朝日朝刊(10月15日)のチリ北部コピアポ発の平山亜里記者が書いた「チリ沈着リーダーの称賛」の見出しの記事が一番印象に残った。リーダーの名前はルイス・ウルスアさん(54)である。

その記事によれば、ウルスワさんは、「外界と連絡が取れない時も規率を維持し、食料を分配、救助を信じて常に冷静に対応し、仲間がパニックになるのを防いだ。一緒に働いたことがある作業員は「彼は生来のリーダー」と絶賛している。」と書いていた。

「規律を保ちながら、救援を待たなければならない。だが、その間全員を自分が束ねてコントロールするのは難しい」と考えた。「そこで責任を分担するため、三つの班に分けてそれぞれの班長を任命。1日24時間も3分割し、「仕事班」「睡眠班」「休憩班」に分けて過ごすことにした。」という記事結びの文章が特に印象的だった。

同記事によれば、ウルスワさんは地形測量士で、鉱山勤務30年以上のベテランだが、落盤事故があった8月5日時点では、サンホセ鉱山で働き始めてまだ2ケ月だった。同じ班で働いたことのある作業員は「物静かであまり話をしないが、しっかりして指導力がある」と話す。

「落盤事故の直後、3人を坑道内の探索に行かせ、自分たちが閉じ込められたと知ると食料の「配給制」を断行。手元に残っていた2日分のツナ缶と牛乳から、48時間ごとに1人当りツナはスプーン2さじ、牛乳はコップ半分に制限した。」とレポートしていた。

平時のときは何ごともなくとり運ばれることが、ひとたび事故に巻き込まれると、正気を失い、ひとびとはパニック状態に陥る。頭では分かっていても、いざ自分自身に降りかかって来た時に、いかにとっさに対応できるか。特に指導者に求められる資質であろう。

一方、今朝のスペインTVEは「今年だけでチリの鉱山の落盤事故で既に32名死亡している。今回救出された作業員の一部は鉱山会社に損害賠償を求めて提訴することを決めた。家族の中には「2度と鉱山に戻らないで」と訴えている。」と紹介していた。今回の救出に伴う費用は2,000万ドル(約16億円)と伝えられる。相場急騰に伴う光と影であろう。

15年前の阪神・淡路大震災の際、近くのコンビニ店の棚の食べ物と水は瞬く間に姿を消した。当時、神戸の人は冷静沈着に行動したと現場を見たかのような記事も見られた。神戸は表向き復興した。しかし、震災の経済的打撃は甚大で、二重ローンをいまだ返済出来ない個人や赤字都市に転落した神戸の財政に今なお暗い影を落としている。災害は忘れた頃にやってくる。リーダーの資質とは何かを含めてチリの落盤事故から学ぶことは多い。(了)

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