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米FRB1兆ドル債券買い取りと発表、米債券急騰、ドル一時96円(学校で教えてくれない経済学)

2009-03-19 08:58:32 | 経済学
 米FRBは、3月18日のFOMC(米公開市場委員会)会合の付帯声明文で、この先半年間で3000億ドル(約29兆円)の期間の長い債券を買うことに加えてMBSという住宅ローン担保証券含めて合計7,500億ドル(約72兆円)増額,併せて1兆ドルの債券購入を発表した。

 バ―ナンキFRB議長は、かねてから必要とあらば問題解決のためにはあらゆる手段をとることもいとわないと繰り返し発言していた。しかし、ここまで踏み込んで来るとは予測せず、市場は驚きかつ慌てたようだ。

 あわてぶりは債券市場で顕著に表れた。米国債が急騰した。10年物国債の利回りは一気に3%目前から2.5%台へ急落した。副産物として、FRBの大量国債買い取りでドル札があふれかえる。NY外国為替市場では、このところドル売り優勢の地合いが続いていたが、火に油を注いだように、ドルがその他通貨対して一斉に売られた。

 副作用は為替市場に即表れた。ドルは対ユーロで売られ、一時1ユーロ=1.35ドルまで値下がりした。ドルは対円では一時1ドル=95円台まで値下がりした。円は対ドルでは値上がりしたが、対ユーロでは1ユーロ=129円台まで値下がりした。

 パニックはNY金市場に端的に表れた。金相場はFOMC発表前までは売り物がちで推移して、一時トロイオンス890ドル近くまで値下がりしていた。ところが米FRBの国債大量買いのニュースが流れるや、買い戻しが起こり、金相場は前日比25ドル高い925ドルまで急反発して取引を終了した。

 NY株式市場では、金融株の値上がりが相場をけん引した。NYダウは7,486ドルで取引を終了した。バンクオブアメリカ22%、シティー23%、保険大手のハートフオート24%それぞれ大幅値がりした。ただ、パニック買いで一時170ドル以上上げたが利益確定売りが出て前日比90ドルにとどまった。

シティー株は倒産寸前で1株1ドル割れだった。それがじりじり値を戻していたが、この日は3.08ドルである。IBMの買収が伝えられたサン・マイクロシステム株はなんと79%高い8.89ドルで取引を終えたと今朝のブルームバーグテレビは流していた。売り方が慌てて買い戻すのだろう日本人の感覚ではついていけない。

 NHK・BS「おはよう世界」は、視覚に訴えながら比較的短時間で理解できるので大いに重宝している。今朝、「おはよう世界」が紹介していたNY株式市場の動きについて、アナウンサーが「問題は次だ。明日、明後日まで続くかである」の抑えていた言葉が印象に残った。

 同じ「おはよう世界」だが、英国のBBCが英国で失業者が200万人を突破、このままの調子では300万を超える可能性がある。英国は84年に失業者が327万を記録した。政権交代の引き金となった。来年5月に予定されている総選挙の波乱要因に当然なるだ
ろうと解説していた。

 韓国KBSテレビが、韓国の失業者が92万4,000人に達した。特に若年労働者が多く韓国国内で深刻な問題を起こしていると紹介していた。ロシアでは、メドベイジエフ大統領が3月15日時点で登録されている失業者は200万人だが実際はその3倍の600万いると語った。失業は中国でも増加している。先の全人代でも温家宝首相は、地方から都会への出稼ぎ労働者の失業者が1,100万人に上ったと発言していたと「おはよう世界」で紹介していた。

中国関連では、世界銀行が、中国の2009年の経済見通しを、当初の年7.5%増を6.5%へ下方修正すると発表した。先の全人代では温家宝首相は、4兆元(57兆円)の景気刺激策のもと、8%成長を実現すると決意表明している。中国の成長率は1990年の3.8%以来の低い伸びにとどまると「おはよう世界」が指摘していた。

それにつけても日本はのんきである。のんきというより余りにも欲が深すぎる。ベースアップゼロだ。「厳寒春闘」の見出しをつけて悲観ムードを煽っている。世界の多くの国では食にこと欠いて明日の命も危うい子供たちが億単位でいるということを見出しを付けたデスクは頭の片隅でも考えたのであろうか。米FRBはドル暴落という危険なカケに出てでも、直面する今のアメリカの金融危機を乗り切ろうと動き出した。

米国国債大量買い取りの副作用としてNY外国為替市場でドルが売られ、1ドル=96円で取引された。日本は99%の資源を世界から円高分安く買える。不景気だ、不景気だ。べ-アップ、ベースアップと騒ぐのは簡単だ。お隣の韓国もそうだが、英国、ロシア、中国での失業増加は不気味である。米国も例外ではない。

安心して毎日、食事をいただけることの幸せを今こそ、日本人ひとひとりがかみしめて欲しい。(了)

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