Liner Notes

素人感覚で自由にあれこれ思うことを綴ってみました!

α7「ハマスホイとデンマーク絵画展」【2020】

2020-02-09 | Exhibition Reviews


 地下鉄の駅構内で、ふと目を留めた展覧会ポスターを飾る1枚の絵画《背を向けた若い女性のいる室内》。作者はヴィルヘルム・ハウスホイ、19世紀末の北欧・デンマークを代表する画家だそうです。

 19世紀末のデンマーク絵画は、美しい自然やごく普通の家庭生活を描き、くつろいだ雰囲気とささやかな幸福感を醸し出す一方で、彼の作品には、白と黒そして光を基調とした静謐な空間が拡がります。

 くつろいだ雰囲気やささやかな幸福感は、描かれる人々の物語に連なるその瞬間を描いているからこそ、観る者の共感を誘うような気がします。

 でも、彼が描く静謐な空間はかつてそこで暮らしていた人々の物語を想起させてくれるとともに、そこに描かれる背を向けた人は、ひょっとしたら、観る者にとってこれから始まる自らの物語を示唆しているのかもしれません。

PS : 「ハマスホイは急いで語らなければならないような芸術家ではありません。彼は時間をかけてゆっくりと仕事をしています。その仕事をどの時点で捉えてみても、常にそれは芸術の重要で本質的な事柄についての話とならざるを得ないでしょう」
(展覧会の入口に紹介されていた書簡より)

初稿 2020.2.9
於 東京都美術館 
(2020.1.21~2020.3.26)

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