【公式】死神紫郎ホームページ

2018年より死神改め、死神紫郎(読み:しにがみ しろう)に改名。ギター弾き歌手。

偽善土産は買わない

2010-08-29 00:00:00 | 声明文
じっとしていられない性格なのだろう。

一週間程前、
私は本八幡から荻窪に引っ越した。

5年振りに中央線に戻ろう、
ふとそう思ったのだ。

あの沿線の持つ不思議な魅力、
熱気をもう一度体感したくなったのだ。

じゃあ別に大枚はたいて引っ越しなんかしなくても
休日やなんかに電車で行きゃいいじゃん
という御方もいるかもしれないが、

私は街の表面ではなく、
街の内側を覗いてみたくなってしまったのだ。

生活で「直」に触れないと感じ取れない街の面白さ。
そういうものを。

「高い」か「安い」か、
価値が「有る」か「無い」かなんて、
本人が決める問題であって
他人が決める問題ではない。

新しい土地に興奮し、
歩いては迷い、困り、
見つけては驚き、
喜んでみたくなってしまったのだから仕様がない。

だが、しかし。

こんな一見冒険好きな性分に見えて、
実は大の旅行嫌いなのだ。
(少々、いやかなり強引に本題に入ります。
お許しを。)

わざわざ遠くに出かけ、
混雑にもみくちゃにされ、
行った先々で名物のあれ食べなきゃこれ食べなきゃと
「胃破壊活動」を行い、
あれ見てこれ見てと足と脳を破壊し、
更に強烈なバス酔い、偏頭痛を併発させ、
フラフラになりながら
「偽善用の土産」を無理矢理購入し、
廃人の如く帰宅するなど狂気の沙汰だ。

なので、私はもう7年も旅行に出かけていない。

が、しかし。

旅行の中でも好きな行事が2つほどある。

・巨大な浴場で朝から湯に浸かる、サウナに入る、
その後「つめた~い」珈琲牛乳かなんかを頂く。

・旅館で浴衣を着て館内を冒険したり、
ロビーで茶を飲みゆったりする。

この2つは大変に心地がよい。
だが、その前後が苦しみばかりで
プラマイゼロどころかマイナスだ。

そこで私は一計を案じた。

旅行に行かずして、

・巨大な浴場で朝から湯に浸かる、サウナに入る、
その後「つめた~い」珈琲牛乳かなんかを頂く。

・旅館で浴衣を着て館内を冒険したり、
ロビーで茶を飲みゆったりする。

この2つを味わう方法を。
メモのご用意を。

1、朝9時、最寄りのなるべく大きいカプセルホテルに行く。
(大きいカプセルホテルの設備はそこらの旅館以上に豪華で驚く。)

2、休憩入泉フリープラン(9~17時)
寝床なしで入る

3、朝から大きな風呂に浸かる、サウナに入る、
その後「つめた~い」珈琲牛乳かなんかを頂く。

4、浴衣を着て館内を冒険したり、
ロビーで茶を飲みゆったりする。

5、16時45分帰る。

ほら、疲労もバス酔いも、
「偽善土産の呪縛」
にも翻弄されることなく、
旅行のおいしい部分を味わうことができる、
私おすすめのプランだ。

途中で何かにムカついて
「帰る」と啖呵を切っても、
家から近いので安心だ。

百聞は一見にしかず。

と書き終えた直後、
「健康ランド」に行けばいい
ということに気づいてしまった。

是非お試しを。

「続」・天然パーマ戦争

2010-08-22 00:00:00 | 声明文
2週に渡って綴った天然パーマ戦争。

なんです?いったい。
この反応は。

どの類いの反応かと言えば、
それは共感。

調子に乗って書きました。

「続」・天然パーマ戦争。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

14歳で破戒坊主と化した私は、
それから数年間を坊主頭で過ごしてきた。

(試しに髪を少ーし伸ばしてみたこともあったが、
アイパーをあてたヤクザみたいになり絶望、
即坊主に逆戻りした。)

ところが状況は上京時に一変する。
(※掛けてません)

「縮毛矯正」の存在を知ったのだ。

歯の矯正じゃない縮れ毛の矯正だ。
まるで医療だ。

希望に胸膨らませ、
仔細、料金などを調べてみたが如何せん予算が高い。

定期継続して縮れ毛を矯正するなら確実破産する。

ならば。

私は「一度だけ」、
夢を見ることにした。

夢が昼ひらく、かもしれない。

私はぐちゃぐちゃと髪を伸ばし始めた。

周囲からパンチパーマと言われたり、
黒マヨネーズと言われたり、
岩のりと言われながら、
髪を伸ばし続けた。

途中見苦しさのあまり、
バリカンが頭をよぎったが、
寸のところで堪えた。

危なかった。

そして、
ついに長い長い1年が過ぎた、
ある日。

私は武蔵境にある、
気取り腐った美容室に足を踏み入れた。

店員氏に、
「あのう、縮毛矯正してください」
チリッと呟いた。

頭にパーマ液を塗られ、
アルミホイールで挟まれ、
熱せられるなどの治療が施された。

それから数時間後、
巨大鏡の前に見知らぬ男が写っていた。

言うまでもなくそれは私なのだが、
でも見知らぬ男なのだから仕方ない。

私の髪は見事矯正されたのだ。

歓喜、驚愕。

揚々と店を出る。
わずかな風が吹く。
髪が揺れる。

歓喜、驚愕。

そればかりか僅かな所作に連動して、
サラサラと髪が揺れる、
揺れているではないか。

歓喜、驚愕。

私は青すぎた春を取り戻したのだ。

嘘だと思うなら見てみるがいい。
見よ、これが縮毛矯正をかけた6年前の私だ。


(※化粧してます。死神第一作品集の恥ずかしいアー写より)


だが、月日というものは無情にも流れる、
即ち髪は伸びる。

古い毛は矯正済みの、
まっすぐで美しい毛。

が、新しく伸びる毛は本来の縮れ毛、
見苦しい毛。

その境界線はまるで天国と地獄の分岐点の如し。

このチリチリストーンを不愉快に感じながらも、
ケチ臭い私は1年半もの間放置した。

チリチリストーン崩壊。

チリチリほんの少しストーンに変身した私は、
また新たに縮毛矯正をかけるべきか迷ったが、
身なりばかり(表面ばかり)に気を取られ、
大事な中身はどうなの?あんたと自問自答した結果、
私は、あっさり直毛ライフに終止符を打つことにした。

そして特にためらいもなく、
私は髪と眉全てカミソリでつるつるに剃り落とした。


(※化粧してます。死神第三作品集発表時期のアー写より)


さらば。
青すぎた春よ、、、、


「花に嵐のたとえもあるさ
さよならだけが人生だ」ってか。


井伏鱒二は全くうまいこと言う。




紹介記事のお知らせ

2010-08-16 23:07:01 | お知らせ
最新アルバム
「情念独掻演歌大全」が、
取扱店のエレクトレコードにて紹介されました。

以下紹介記事です、是非ご覧ください。
http://erect.blog5.fc2.com/blog-date-20100810.html

敬具

天然パーマ戦争 後編

2010-08-15 00:00:00 | 声明文


先週の続き

人の努力をなめないで頂こう。




全くの無意味だった。




効果なし、甲斐なし、縮れっぱなしの絶望三拍子。
まるで時間をドブに捨てたかのような、
「縮れ」と書いて「絶望」と読ませたくなるような、
謙遜、冗談、掛け値なしの全くの無意味だった。

縮れ腐った我が不動の毛髪。
湯気立ち上る洗面所に立ち尽くす私。

もちろん誕生日に与えられた最強の援軍、
魔法のコテことヘアーアイロンで連日連夜応戦は試みた。

が、仕上がりはパッケージに描かれた
「ニッコリ直毛の姐さんの図」
とは程遠く、
毛髪は無残、
「かた焼きそば」から
「らーめん」に変化するに留まり、
結局頭上に「麺」が乗っかっているという事実に変わりはなかった。

冷静になって考えてみれば、
原住民アボリジニのような髪を、
サラッサラの真っ直ぐにしましょうなんてのは、
焼おにぎりから白米を拵える位の無理難題、
それをど素人の餓鬼が数千円の機械で成就しようしているのだから、
狂っているとしか思えない。

だがその狂気も非情な現実に呆気なく突き崩され、
ようやく無理なものは無理と理解し、
受け入れる努力をし始めた。

(ウルフルズの「ダメなものはダメ」
というタイトルに物凄く惹かれた十三の夜)

私は観念した。

そして私は当時心酔していたエックスや、
ルナシーのようなビジュアル系バンドは一生組めない、
そう思った。

こんなチリチリは組んではいけない、

ルナシーのシンヤだって、
ペニシリンのオージローだって不細工でデブだが「直毛」だ。
やっぱり直毛が最低条件なのだ。
畜生、馬鹿野郎、人生終わった、と思った。

ヤケクソになった。

あくる日。

母親から床屋代3000円をせびったのち、
鼻息荒く床屋へ出向いた。
椅子に座って私は一言。

その後、主人の手によって髪がじゃきじゃき伐られていった。
いつも以上の勢いで。
森林伐採、芝刈りの如く。
私の言葉通りに。

近回しに申すとつまり、
私はパソコンクラブという名の帰宅部のくせに、
野球部よろしく「丸刈り」を決行したのだ。

丸刈りにした。
してやったのだ。

坊主だ、ハゲだ、和尚だ、丸こめ味噌だ、
さらばっビジュアル系バンドという心持ちで。


伐採後、
頭上の焼きそばが消え失せ、
野球部というよりかは病気の囚人みたいな有り様だったが、
時間が経過するにつれ、
気分は予想外に軽くなっていった。

憑きものが落ちた、
頭の輪っかが消えたそんな気分だった。

今まで私を徹底的に苦しめてきた敵の呆気ない幕切れだった。

翌日登校すると、
予想通り「あいつ一体何があったんだ?」
という好奇の目に晒されたが、
もはやその視線は痛くなどなかった。



縮れの苦しみは、
こんなもんじゃなかったのだから。







天然パーマ戦争 前編

2010-08-08 00:00:00 | 声明文


「表現にはコンプレックスが必要だ。」

どこかの舞踏家が言っていた言葉らしい。

頷ける。

コンプレックスは負の財には違いないが、
上手いこと燃料に転換できれば、
この上ない人生の起爆剤となるだろう。

では、私の最もたるコンプレックスとは。

それは天然パーマだ。

12歳で自覚したこの天然パーマは、
自覚と共にますます縮れ、
中1のとき、理科の炎色反応の実験の際、
無神経な男性教諭に、
「君の髪はスチールウールみたいだな」
と気軽にガンを宣告され、
髪のみならず心までま深く縮れた。

縮れに縮れた人生を歩むと思うとやるせなかった。

両親、兄はサラサラの直毛であり、
私だけ頭にでき損ないのカタ焼きそばを乗っけたような、
間抜けな毛髪をしており、
何故だ!何故私だけ天然パーマなんだ!
何故だ!何故なんだ!と、
自らに問いかければ問いかけるほど
虚しさは増すばかりだった。

風に一切なびかない、
不動のカタ焼きそば。
不動なのは精神だけで良い。

ある朝起床すると、
妖怪枕返しにでもあったのか、
枕に下の毛が数本付着しているのを発見した。

何故枕に下の毛がと訝るも、
その毛をよくよく見てみれば、
果たして私の髪の毛であり、
下の毛と見分けもつかぬほど縮れ腐った我が毛髪の現実は、
思春期真っ只中の小僧の弱き心を存分に打ちのめした。

天然パーマのことを考え眠れぬ夜もあった。
朝起きて鏡を見て絶望することもあった。

過剰な自意識はますます肥大し、
挙動不審に拍車がかかり、
羞恥のあまりうつ向いて歩く癖までついてしまった。

だが決して諦めることはなかった。
何って直毛、
風になびくサラサラヘアーになることだ。

暇さえあれば鏡を睨み付け、
整髪剤を塗りたくり、
「真っ直ぐになれ真っ直ぐになれ」
と念じながら、
ドライヤーでガンガン煽っては執拗に髪をとかすという、
「縮れているなら伸ばせば良い」
という理念・信念のもと努力を重ねた。

執念だった。

(その様子を見て不憫に思ったのか、
我が13歳の誕生日に、
父が髪が真っ直ぐになるという魔法のコテ、
すなわちヘアーアイロンなる電化製品を買ってきてくれた。

そしてその夜、
誕生日の飯もケーキもそこそこに、
パッケージを破壊するように開封、
早速使用してみるも、
興奮のあまり手元が狂い、
額を一寸ばかし火傷をするという失態をしでかした。

しかし火傷くらいどうってことはない。
髪が少しでも真っ直ぐになってくれればそれで良かった。
私は、強力な助っ人に心から感謝した。)

人の努力をなめないで頂こう。


翌週へ続く