親友とビリヤードに行きました。たかがゲームなんだけど、このショットを決められるかどうかって場面が必ずあって、自分の勝負強さを試される瞬間があります。大勝負に出られるかどうかは、こういう小さな積み重ねの結果ですよね。一時期ボーリングに毎週通ってました。あれも僕にとってはそういう訓練の場でしたから、また再開しようかと思ってます。
久しぶりに実家に戻りました。毎回見に来るうちの両親もすっかり芝居の目利きになっている様子。近頃は、ダメ出ししながら時々芝居用語を口にするし、ちょっとしたご意見番を気取られてます。実家が熊本に移ってからずっと飼っていたフェレットが夕べ亡くなりました。最近食欲もなく元気がなかったのですが、死ぬ前日は、ガシガシと餌をたくさん食べていたので、もう大丈夫かなって思っていた矢先でした。僕らを安心させようとしたこいつなりの最後の優しさだったのかなって思うととても切なくなりました。「哀しいときはとことん悲しんで、そして思いっきり吹っ切らないと。あとは時間がクスリだから」って母親が言っていました。多くの悲しみを乗り越えてきた重みのあるコトバでした。
今回僕が演じた「モリオ」の役作りについて、参考にした過去の体験があります。『トリオ』の中で唯一の男キャラでしたから、男にしか共感できない何かを僕自身が表現しなければと思っていました。数年前、鹿児島の知覧にある特攻隊基地跡地に建てられた記念館を訪れたことがあります。出陣前に彼らが残した遺書とも呼ぶべき手記が数多く展示されていました。彼らの中には想像力豊かなインテリも数多くいました。彼らは決して妄信的ではなく、飽くまで冷静でした。当時の風潮に疑問を抱き、特攻などナンセンスだと分かっていながら、彼らはあえて志願した。彼らには自分の命を捨ててでも守らなければならない何かがあった。だから本土から少しでも遠い場所で敵艦の攻撃を食い止めようとした。敵艦に突入するとき、彼らは決して天皇陛下のためではなく、愛する人達を思い浮かべながら突入したはずです。僕はいつか、そんな彼らの気持ちを代弁する機会があればと願っていました。ほんの断片に過ぎませんが『トリオ』を通じてその願望を満たすことができたような気がします。でもまだまだ不十分です。できることなら再演したいです。できれば同じキャスティングで。
今朝からまたいつもどおりのサラリーマン生活。家から駐車場まで歩きながら、芝居してないときってこんなに身軽だったのかと改めて感じました。今回の公演を見てくれた人たちの感想は、概ね「難しかった」と。どうやら「理解できなかった」というより「いろんな捉え方が出来て判断が難しい」という雰囲気。…個人的な反省点としては、表現者として説得力が足りなかったのでしょう。演劇関係者やお芝居を見慣れている人なら受信の感度を上げて向こうから歩み寄って見てくれている。そういう人たちに基準を合わせる方が表現者としては楽かもしれませんが、それでは自分が甘えてるってことになります。熊本の演劇が活性化しない理由は昔から変わっていません。理解が難しい話をわざわざ高いお金を払って見ようとは普通思いません。まず難しいコトを分かりやすく伝えるスキルをもっと身に付けていかないといけないですね。演出は役者のために答えをすぐに与えません。でも役者は観客のために分かりやすい答えを与えるべきです。その答えが多ければ多いほど観客は選ぶ楽しみを感じてくれるような、そんな気がするんです。
リージョナルシアター第２弾『トリオ』最終日、終わりました。とりあえずやれることはやった、としか今は言えない。あとはご覧になった観客の判断です。でも本当に勉強になりました。戯曲を読めば読むほど新しい解釈が生まれるし、回数をこなせばこなすほど新しい表現が生まれる。その時点で導き出した僕なりの答えを観客に提示していきました。それが手法として正しかったのか、観客にとって良かったのか、正直分かりません。今回の役柄、「成長型キャラ」と定義していたのですが、その点は僕自身も成長していったのかもしれません。とにかく楽しまなきゃやってられないくらいしんどかったです。しんどかったけど、共演者やスタッフに恵まれました。支えてもらって気も遣ってもらってアドバイスも頂いて…。こういう良き経験が出来ただけでも芝居を続けてきた甲斐ありましたね。ちなみに、今とても頬が痛いです。見た人しか分からなくて恐縮ですが、どうも殴りすぎた感があります（笑）。
リージョナルシアター『トリオ』初日が終わりました。役者として、自分の表現がどれだけ観客に伝わったか、全く手応えを掴むことができず、終演後考え込んでしまいました。僕の表現したことが間違っていると指摘されるのはまだマシです。でも伝わってなければ何も始まらないわけです。今回の舞台は僕にとってとても難しい。でも観客にとってはとてもシンプルなことかもしれません。明日の公演でどれだけ感覚を掴むことができるか？たぶんまだやれることはいくらでもある。とにかくこれだけは絶対に忘れないようにしたい…舞台は観客のためにあるということを。
完成した舞台に立ってみました。その壮大さ！その壮大な世界に自分が飲み込まれていく感覚を覚え、自分がどうあがいてもきっと敵わないと思い知りました。吹くはずのない風が今にも吹き込んできそうなその舞台。その舞台の上に、滑稽でちっぽけな一人の人間を見ることでしょう。そんな一人の人間を少しだけ演じてみようと思います…自分の本能の趣くままに。明日リージョナルシアター『トリオ』本番。県立劇場演劇ホール特設ステージにて。明日は１９：３０～開演、明後日は１４：００～と１８：００～の計３回公演です。ぜひ、お越し下さい。
仕込み前日。団員が朝から作業を進めていましたが、僕は仕事のため夜から合流。手伝いが出来ない分、せめて僕に与えられた使命は果たさないといけません。今日は昨日までの焦る気分が微塵もなかった。本当に冷静だったと思う。だって、共演する人たちとももうじき会えなくなる切なさを思えば、そんな焦りなど取るに足りないことだと思ったから。
昼過ぎまでに仕事を片付けて、その後衣装探し。なかなかイメージ通りの衣装がありません。とりあえず集めた衣装でいろいろ試着して、一つの組み合わせができました。決まった衣装が興味深い。まさかこのような結果になるとは…。衣装については公演後に綴ります。稽古は歌のシーンを楽器に合わせて練習。その後冒頭の僕の出番の稽古。稽古の後、自分の演技に行き詰まりを感じ、悩んでしまいました。分かり易すぎるんです。それ以外にやりようがなくてアタマが固くなった感覚。そしてどんどんディープになってしまう。ディープな演技なんていくらでもできる。でも遊べてないからやってて全然面白くない。もっと遊ぶためにもっと選択肢を増やさないといけない。それを完遂しないと、今回の出演は僕にとって全く意義がないんです。
仕事の後、県立劇場演リハにて『トリオ』稽古。実寸に近い間取りで稽古。間合いを測ると意外と広い舞台。歩幅も調整しないといけません。個人的には広い舞台の方がやりやすいといえばやりやすい。細かい動きをより繊細にすればするほどその格差を作りやすいからです。あとはカラダが覚えるのを待つだけです。
朝から県立劇場和室にて『トリオ』プレビュー公演の会場設営。昼前に準備を終えて通し稽古。場所が違うと雰囲気が変わります。でもいろんな場所でやっていると不思議と順応するのが早くなります。１４時から本番。数名のギャラリーに見ていただき、その後意見交換会。観客としての客観的な意見を聴かせて頂きました。ごもっともな意見。ただ、それをすでに肌で感じていたから余計辛いです。表現力不足。リージョナルシアターまでにどれだけその不足を補えるかですね。
朝から県立劇場の演劇リハーサル室へ。久しぶりに工具を手にして作業。労働を全身に感じ、ちょっとした充実感を味わいました。第七インターチェンジの団員は女性でも工具を手にして作業するのが当たり前。でも僕には新鮮な光景でした。昼過ぎから通し稽古。ダメ出しはまだまだ多いです。夕方から真夜中ミサイルメンバーと合流。ケンゲキ＠ライブのための台詞合わせ。一息付いてホワイエへ。劇団石のリージョナルシアター開場前のホワイエにて、演目『宇宙刑事』を上演。不特定多数のギャラリーの前での上演でしたが、先日のタオコーヒーで味わった緊張に比べればそれほどでもなかったです。通行人に見てもらうのは普通の公演ほど簡単じゃありません。まず興味を惹かないといけませんからね。でもそれなりに楽しんでもらえたと思います。上演を終えてそのまま、劇団石『ホームレス・ホーム』を観劇。いい話でした。石さんらしい舞台でした。世知辛い世の中なのは誰もが分かっているんです…上演する石の役者さんも。だから説得力を感じました。終演後、再び演リハへ。今日の『トリオ』の通し稽古の反省を踏まえて小返しをして今日の活動は終了。ケンゲキは朝から晩まで１日いても飽きません。
今日から県立劇場の演劇リハーサルにて作業と稽古。本番が近付いているのが空気で感じられます。人の出入りも多くなってきました。例によって仕事を終えてからの合流。僅かな時間でしたがシーンの稽古をさせてもらいました。稽古の後、団員の方は打ち合わせでしたので僕は先に帰宅しました。そして今後の１週間をどう過ごそうか考えてみました。以下は「もう一人の僕」が放ったコトバです…「マルチタスクな人間は絶対に存在しません（ここで言う「タスク」とは、五感を集中させる作業のことです）。右手で小説を書きながら左手で絵は描けません。ご飯を食べながらテレビを見ることはできても、テレビに集中しているときにご飯の味は分かりませんから、マルチタスクとは言えません。五感が集中できるのは１点だけです。人は元来シングルタスクですから、同時に何でもこなそうとしてはダメです。一つずつを多くこなすのです。深く集中して、片付いたら瞬時に切り替える…きっとこれが最善の方法です」
同業他社の方々との送別会を兼ねた懇親会のため稽古を欠席。この本番差し迫った時期に稽古ができないのはシビアですが、そこは割り切るしかありません。演劇関係者でもなく社内の仕事仲間でもない、普段あまり交わらない人と交わることで、今の自分を客観的に知ることもあります。たとえば視野が狭まれば、自分だけが忙しいと思い込んでしまう。しかし周りを見渡せば、僕の何倍も充実した時間を過ごしている人が数多くいることに気付きます。だから僕もまだまだやれることがたくさんあるんですよ…きっと。
最近、時間に追われている感覚を強く感じます。今日は結局仕事を卒なく片付けることができず、稽古時間にも間に合わず…。そのまま直帰しても収穫がないと思い、稽古後のメンバーの夕食に顔を出しました。昨日の通し稽古のダメを確認して帰宅。時間が確保できないことを嘆くより、自分の処理速度を上げる方法を考えた方がよほど建設的かもしれません。全てにおいてスピードが上がらないのはきっと体力不足のせいかもしれません。とりあえず自宅で腹筋をして気持ちを吹っ切ってみました。
