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4/4 By朱雀

2008年05月10日 22時18分25秒 | TRPG関連
色々とやっちゃったぜ。そして色々なものがそろそろ動きだす。

前回までのあらすじ。
フカジマの土地神を鎮めに向かったセラフィムの面々&千呪印ら。
無事決着をつけ、長きにわたるフカジマとの因縁にも終止符が打たれた。
しかしその一方で、小坂は高レベルの悪魔憑きが軒並み出払っている状況であり、治安能力は著しく減退していた。
特に、セラフィム小坂支部は。

デモンパラサイト小坂シリーズ第179話
「抵抗か、死か」


参加PC
文楽座瑠璃(ウォーコイト/ドラグーン)PL:ゴンタ
文楽座瑪瑙(ファランクス/カラドボルグ)PL:GHETTA
刃字忌(バルディッシュ/バルディッシュ)PL:ミドリ
近衛りる(カラドボルグ/バルディッシュ)PL:k
北国早紀(ブリガンダイン)PL:東京
楓茶霖(モリオン/ヴァンブレイス)PL:安綱
日向葵(ショーテル)PL:東京
佐藤唯(アルバレスト)PL:mono
横太郎(ドラグーン/ガントレット)PL:00doll
上條樹(ウォーコイト/ヴァンブレイス)PL:えび(代理)

とりあえず一言。
PL多いっつーの。

千呪印配下十二神将“辰”一葉の苛立ちはそろそろ頂点に達しようとしていた。千呪印らの留守を任され活動に当たっていた一葉だが、定時連絡の時間を半日以上過ぎても、情報収集活動に当たっていた同じく十二神将“卯”天見からの連絡が入ってこないのだ。
一葉「全く、天見はこの大変な時に一体何をしてるんでちょう! ……とは言ってみたものの、考えれば考えるほどおかしな話でちゅね。天見はこういう仕事に関してはきっちりしてるはずなんでちゅが……」
不測の事態を警戒して部下に指示を出し直す一葉。しかしさしもの一葉と言えど、この時点では気づく由もなかった。
既に不測の事態は始まっているということには。

ほぼ同刻、セラフィム小坂支部ではいつになく大勢の悪魔憑きが集まっていた。
フカジマに主だったメンバーの大半が向かってしまったこともあり、そこにいるのが実質的に戦力になりうる全メンバーだった。
フカジマの一件を除けば、ここのところ極端に大きな事件は発生していないとはいえ(2008年5月5日現在)、いつ何時起こるか分からないのが大事件の常。それに現実問題としてセラフィムのメンバーの多くが小坂を離れている以上、今後の動向について少なからず話し合っていた方がいいだろうと某さんが残りのメンバーを招集したのである。
もっとも、文楽座一家やりるといった高レベル悪魔憑きも残りのメンバーの中には含まれている上、ここ数日の小坂の雰囲気自体極めて静かなものだったのだが……

 芥「こういうのってさ、“嵐の前の静けさ”って言うんだよね?」
瑠璃「縁起でもないこと言うんじゃないわよ」

瑠璃が芥の頭を小突いたその時、某さんの携帯電話が突然鳴り出す。
電話の主はゴン。なんでも、リオウの軍勢が突然動き始めたのだという。
ゴンは今近くにいるメンツだけでは足りないからと助っ人を要請するが、会話の途中で突然受話器から耳障りな音が聞こえ始め、数秒と経たないうちに通信は完全に途絶えてしまう。急に電波状態が悪くなった、という感じだった。
某さんの応答の様子に何か嫌な予感を覚え、窓の外を見る唯。ブラインドの隙間から、セラフィム事務所の前に立つ数人の影が見えた。どこか現実味のないのっぺりした顔立ちをしており、そのいずれにも感情らしきものは見当たらない。

「……どうやら、既に囲まれてるみたいよ?」

即座に走る緊張と動揺。
さらに、足手まといを避けるために屋上に避難した芥が、屋上に辿り着くなり踵を返して叫ぶ。

 芥「こいつら信じられないよっ! 空からも来てる!」

それは前代未聞の、上と下からの挟み撃ち攻勢だった。
どちらのグループも高レベルのトリブルス数体とその配下のカルトロップで構成されており、一方が陽動用の部隊などというわけではなさそうな様子。
あまり戦力を分散させたくはなかったが、どちらかに戦力を偏らせるわけにもいかないため、二手に分かれて上下から攻めてくる敵を迎え撃つ形になる。
真っ先に動いたのは瑠璃だった。屋上側には海寺 千香を収容した部屋があり、自身ではほとんど動くことのできない彼女を守るべく、階下からの敵は残りのメンバーに任せ、一も二もなく部屋を飛び出していた。慌ててそんな彼女を追うのはりると唯の2人。そして芥とともに一足先に屋上に戻ろうとしていた葵を合わせ、4人が屋上での迎撃に臨むこととなった(芥は所詮4Lvのため戦力外通告)。
残りの刃字忌・瑪瑙・北国・横太郎・上條・楓茶は正面からの敵を迎え撃つこととなる。
今、ここにセラフィム小坂支部の生き残りを賭けた攻防戦が始まろうとしていた。

(その1)屋上攻防戦
上空から攻めてきたのは13Lvエネミーのトリブルス・ハングマン(*)が2体、そしてその配下の総勢14体のカルトロップ。しかもその全員が《特殊能力継承》によって《巨大》を所持しており、圧倒的な数の多さも相まって、その戦力は洒落にならない。
初撃でカルトロップの大半を落とすものの、ハングマン本体に残った配下を範囲《吸血能力》に利用されてしまい、それまでに与えていたダメージのほとんどを回復されてしまう。さらにハングマンは《粘糸》《毒液保持》《模倣能力》などの嫌らしい能力を所持しており、うっかりりるが1ターン目に使用してしまった《危険予知》をコピーされるという危険な展開に。
数ターンの後、辛うじて2体のハングマンとも倒すことに成功したものの、瑠璃・りる・唯の3人が「暴走」、残る葵も満身創痍の状態であった。

*セッション当時はまだ『ユニオン』は発売されてませんでした。が、「ハングドマン」じゃありません。あくまでオリジナルエネミー「ハングマン」です。

(その2)地上攻防戦
階下から攻めてきたのは屋上にも現れたトリブルス・ハングマン1体に加え、トリブルス・チャリオット1体とトリブルス・ストレングス1体、そしてその配下のカルトロップが計16体という、もはや地獄絵図としか言えないような構成。
さらにチャリオットは《熱耐性》の代わりに《麻痺毛針》を所持している特殊な仕様というおまけつきである。
敵味方入り乱れての大混戦が予想されたが、こちらは瑪瑙の《透明化》と横太郎の《属性変化》&北国の《水圧領域》の極悪コンボが嵌り、時間はかかったものの1体ずつ着実に撃破していった。
もっとも、被害は少なかったとはいえ、状況的には無事に勝利するには横太郎と北国の2人が「暴走」に追い込まれざるを得ず、非常に危険な手段だったと言えるのだが。

ともあれ、半数以上が「暴走」状態に陥ったものの、大きな人的被害もなくセラフィム攻防戦は終結。危機は脱した――――かに見えた。

半ば瓦礫と化した支部入口。
その扉の向こうに、3つの人影が音もなく現れた。
奇妙な3人組だった。
1人はドレッドヘアにサングラスをした痩躯長身の男。
1人は鍔広の帽子を目深にかぶった黒髪長髪の女。
1人は見るからに恰幅のいい巨漢。
そして3人とも、紛れもなく高レベルの悪魔憑きだと見て取れた。
先頭に立っていたドレッドヘアの男が支部の中を見回しながらゆっくりと入ってくる。

瑪瑙「――どちらさまですか?」
 男「ん?――おぉ、そういや自己紹介がまだやったな。わいはR.o.P戮軍(りくぐん)参謀の刑部っちゅーもんや。以後よろしゅう……」
瑪瑙「(遮って)何しに来たんですか?」
刑部「何しにって、そらぁ『挨拶』しに来たに決まっとるやんか。ちょうど今この小坂から何人も強い悪魔憑きが出払っとるって話やからな、おんなじ悪魔憑きの誼で『挨拶』がてら、ちょ~っと忠告しに来ましたんや。小坂は安全な場所ちゃうんやでーってな」
上條「……これだけ派手に襲撃をかけておいて、随分な言い草じゃないか」
刑部「いやぁ、今日はホンマにわいらは『挨拶』しに来ただけなんや――――あー、そうそう、すっかり忘れとったわ。後ろにおる2人もわいと同じでな。こっちのべっぴんのねーちゃんが快軍(かいぐん)参謀の式部はん、んでもってその後ろのでっかいのが喰軍(くうぐん)参謀の倉持っちゅーんや」
刃字忌「戮軍に快軍に喰軍って……変な名前だね」
刑部「変とは酷いでんな。『戮・快・喰を制する者は悪魔つきを制す』。うちの大将の名言や。言いえて妙やと思わへんか?」
楓茶「『うちの大将』……それは……」

その言葉に被さるように、支部に携帯電話の着信音が響く。
懐から携帯電話を取り出し応答したのは、先ほどから延々しゃべり続けている目の前の男、刑部。

刑部「――っと、噂をすれば大将からや…………もしもし? 神童はんでっか?」

…………
……15分前、セラフィム屋上。

屋上での熾烈な攻防戦を制した瑠璃たち4人は、既に満身創痍であった。
そろそろ階下に戻らなければ、うかうかしていると屋上でそのまま気絶しかねない。
瑠璃は水銀のように重く感じられるその体を起こし、ゆっくりと立ち上がる。
そして何の気なしに視線が中空を泳いだその瞬間、瑠璃の体は思わず硬直した。
彼女の視線の先には、上空からゆっくりと降りてくる1人の男の影。
最後に目にしてから実に1年近くの月日が経過していたが、それでも見紛うはずもない。
R.o.P五大四天王が1人、神童。
背筋を走るある種の悪寒とともに、瑠璃はりるら3人を背に人形を展開させた。

瑠璃「――ここは私が食い止めるから、3人とも逃げて! 早く!」

神童は無言で禍々しいフォルムの拳銃を取り出し、4人に向かって避け得ない弾丸を放つ。
その全てを人形でかばい、再び人形を展開し直す瑠璃。
瑠璃のことを気に掛けながらも階下に消えた唯ら3人には目もくれずに、神童は感心した様子で言う。

神童「ふん、なるほど。人形をひたすら盾にし続ければ君は弾丸に当たることとはないというわけだ。君1人で足止めするという言葉も、強ち虚勢ではないというわけか」
瑠璃「お生憎様ね。このまま千日手に持ち込んで、どこまででも凌ぎきってやるわ!」
神童「ふむ、確かに、その発想は概ね正しい」

そう言って神童は、もう一度銃口を瑠璃に向けた。
何度撃ってきても無駄だと言わんばかりの自信に満ちた表情で、瑠璃は神童を睨みつける。
だが――――

「――それが実現不可能だという点を除けば、だが」

神童の声が、瑠璃の背後から、聞こえた。
一瞬の硬直。そして瑠璃はゆっくりと声のした方向に首を向ける。そして瑠璃の両眼は、信じられないものを見たかのように見開かれ――

瑠璃「な……何よ、それ? チート? こんなの、反則じゃない!」
神童「何とでも言いたまえ。知の探究が生んだ成果のひとつに過ぎんよ」


――――そして、さらに数発の銃声が鳴り響いた。



刑部「……もしもし? 神童はんでっか? そっちの首尾はどないでっか? いやぁ、さっすがでんなあ……へ? もう撤退するんでっか? いやまあ、それは別に構いまへんけど……わかりました。ほなそっちに向かいますわ」

神童からの連絡を受け終えた刑部は、のんびりとした動作で携帯電話を懐に戻し、少し不満そうに頭を掻く。

刑部「――てなわけで、『挨拶』も済ませたことやし、今日のところはこれで帰るとするわ。ほな!」

その言葉に何人かが刑部らに攻撃を仕掛けようとするが、それよりも一瞬早く刑部が《鳥船》の特殊能力玉を使用し、逃げられてしまう。
しばらくの間、放心したように一瞬前まで3人の「敵」がいた空間を見つめる一同。あまりにも矢継ぎ早の出来事で、何がどうなっているのか把握しきれないでいる者が大半だった。

 某「――そ、そうだ! 屋上の方は、一体どうなったんだ?」

その言葉に弾かれるように、瑪瑙は屋上へと駆け出した。


………………………


…………瓦礫の山。
瑪瑙たちが駆け付けた先の屋上は、正にそう表現するのがぴったりの様相を呈していた。
至る箇所が崩れ、破壊され、焼け焦げていた。
そしてあちこちに飛散している血痕。
そこに残されているのは凄絶な戦闘があったことを物語る痛ましい傷痕ばかりで、人の姿は、ない。

瑪瑙「……姉さん…………?」
 某「め、瑪瑙くん……これ……」

某さんが片隅に転がっているものを恐る恐る指さす。
「それ」は、付け根の辺りから吹き飛ばされたと思しき右腕だった。
肘の辺りまであるような特徴的な手袋をつけた腕。
そしてそのすぐ傍の瓦礫の陰には、見慣れた形状の物言わぬ人形が1つ。
しかし、その人形を操る肝心の本体の姿だけが、屋上のどこにも見えない。
屋上から転落したわけでもなく、どこかへ隠れているわけでもなく、
何の奇も衒いも疑う余地もなく、文楽座 瑠璃は姿を消した。

季節はずれの肌寒い風が一陣、残された者の間を吹き抜けていった…………

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4 コメント

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拐われ癖がついています (ゴンタ)
2008-10-05 13:11:09
もはやテンドンネタですね。お前はピーチ姫かとか言われる始末。いや、全くです。

さて、中々上げることができない、というか取りかかることもできていませんが…千呪印完結編も書く気はあります。もうしばらくお待ちくださいな~。
「……嫌な事件だったね。 (トミー)
2008-10-08 09:17:36
右腕以外、まだ見つかってないんだろう?」
代理、の理由 (えび)
2008-10-08 11:48:37
同時刻に行われていた別シナリオで登板したアイリン。
同じくそのシナリオでマスターシーンにてフカジマに登場した是空。

GM 「さて、じゃあ一方そのころ小坂では……?」
PL一同 (がやがやとキャラクターシートを取り出す)
えび 「じゃあ是空で……あれ? あいつフカジマにいたよな」
GM 「あれ?」
ゴンタ 「ああっ! これがあるから是空は出さないでおこうと思ってたのに!」
えび 「……よしGM、上條のキャラシ貸せ!」


なんとひどい。(俺が)
ちょ… (ゴンタ)
2008-10-09 09:05:01
トミー自重(笑

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