しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

風立ちぬ

2013年07月21日 21時46分34秒 | 作品名(か行)
第315回「大人のための恋愛ファンタジー映画」
「ジブリ映画=宮崎駿は大好きです。」とこう前置きしておきます。そう前置きしたうえで「最近のジブリ映画はあまり好きではありません。」劇場で鑑賞したのは「ゲド戦記」を最後に劇場から足は遠のいていました。そんな私が今回の作品「風立ちぬ」を観に行ったのは、テレビで「笑ってコラえて」のジブリ特集を観てしまったからです。たとえどんなに駄作な映画だったとしても、それを作っている人達には大きなこだわりと情熱がある。映画ファンの私はそんなことは百も承知しています。そんな特集を観てしまえば、それを確認しに劇場へ行きたくなってしまいます。まんまと日本テレビの思惑に乗せられてしまいました。

舞台は大正から昭和にかけて、関東大震災や世界大戦など激動の時代を辿ることになる日本。子供の頃から飛行機の魅力に引き込まれ、猛勉強の末に飛行機技師となった堀越二郎は就職した飛行機製造会社で日本軍から依頼を受けた軍用機の開発に携わっていた。試行錯誤の末に作り上げた機体だったが、試験飛行で失敗してしまう。傷心の二郎は仕事の疲れを癒すため避暑地を訪れていた。そこで10年前の関東大震災の際に出会った里見菜穂子と再会する。2人が恋に落ちるのにそれほど時間はかからなかった。結婚を誓い合う2人だったが、菜穂子は結核を患っていた。療養の為に高地の療養所へ入院する菜穂子。新たな軍用機の依頼を受け、開発主任として奔走する二郎。結婚はしたものの2人は別々の時間を過ごしていた。やがて運命は過酷な試練を与えていく。

実在の人物である堀越二郎と堀辰雄という2人をモチーフに描かれた作品。いい意味でも悪い意味でも宮崎駿らしい作品でした。飛行機が本当に好きなんだというのがスクリーンから伝わってきます。ただストーリーと演出に関してはかなり解りづらくなっていました。物語の途中で何度も挿入される「夢」のシークエンス。特にテロップなどが入らず経過していく時間軸。一体、いまが何年なのか?前のシーンから何年が経過したのかは、小道具やセリフから観客は読み取っていくしかありません。個人的には親切になり過ぎのテロップとか場所などの説明はいらないと思っています。劇中のシーンの中から読み取っていくのは決して嫌いではありません。しかし、この作品は途中に「夢」のシーンを挿入し、不可思議な世界を登場させているので多少の説明は必要なのでは?と思いました。

全体的なお話はとても優しく時間とストーリーが流れていき、見やすくなっていますが、夏休みを利用して家族で観に行こうと思っている方がいるのなら、この作品はおススメしません。タイトルにも書いたように子供向けの作品では無いからです。小さなお子さんでは上映時間126分は長いと思います。あくまで難しい演出と奥深い恋愛が理解できる大人向けの作品です。

声優陣についてもある心配がありました。ジブリ作品には俳優さんをキャスティングすることがほとんどですが、以前のブログにも書いたと思いますが、ド素人を選んでしまうと声が浮いてしまい違和感だけが残ってしまいます。ジブリ作品には上手な人が多いのですが、今回は主役の堀越二郎をあの庵野秀明が演じていると聞いて、「思いっきりド素人じゃないか!」と心配していました。心配していたとおり、決して上手とは言い難い状態でした。が堀越二郎というキャラクターには合っていたように思います。それ以外は完璧でした。あとでキャスティングを確認しないとわからないくらいに。

点数は★★★☆☆です。ジブリ映画としてある一定の基準はクリアしているとは思いますが、評価は観る人によって分かれると思います。解りやすい展開や明確な答えを求める人にはおススメできない作品です。

最近はすっかり守りに入った感のある宮崎作品ですが、「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」みたいな冒険活劇が観たいです。(もう何度も書いてるな・・・)

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