第403回「多少は看板に偽りありではあったが、それでも・・・」
「どうしてこの作品を観たかったのか?」と聞かれれば、「タイトルにクローバーフィールドを冠しているから。」と答えるだろう。2008年に公開された「クローバーフィールド/HAKAISHA」はPOV方式で撮影された作品で、85分という短い時間ながら、個人的にはとても見応えのある作品で、今でもお気に入りの1本です。そんな作品の続編的な作品と聞けば見逃すわけにはいきません。今回の作品は「10 クローバーフィールド・レーン」です。
ミシェルは目を覚ますと、自分が地下シェルターに監禁されていることに気が付く。彼女は恋人との別れを決意し、住んでいた街を離れるため車を走らせていた。しかし、突然車をぶつけられ崖下に落下、気を失っていた。覚えているのはそこまでだった。すると彼女の前に現れたハワードという男はミシェルを誘拐したのではなく、助けたのだと主張する。殺されるのでは?と恐怖するミシェルだったが特に行動を制限されるわけでも、拘束されるわけでもなかった。さらにはその地下シェルターにはもう1人、エメットという男がいた。彼もハワードによって連れてこられたわけではなく、自分からこのシェルターへと入ったという。しかし、外へ出ようとするとハワードは驚くべき事を語った。「人類は謎の生命体の攻撃によって絶滅した。」というのだ。さらに外の空気は汚染され、外へ出た瞬間に死んでしまうという。にわかに信じられないミシェルは何とかして外に出ようと画策する。
冒頭でも述べたようにこの作品を観ようと思ったのは「クローバーフィールド」という言葉とプロデューサーを務めるJ・J・エイブラムスの名前だけでした。個人的には続編かあるいは何らかの関連性を示してくれるのを期待していましたが、それを示す要素は全くありませんでした。しかし、その事がこの作品の評価を下げることには結び付きませんでした。
登場人物は3人だけ(正確には声のみや、死体、写真などありますが。)さらに驚いたのは回想シーンやタイムラインをいじったりを全くしないでストーリーが進んでいくのです。観客に与えられる情報は登場人物が発するセリフだけなのです。観客は主人公であるミシェルのように、ハワードが話す事や外で起こっていることが事実なのか?嘘なのか?ミシェルと同様に迷い考えることになるのだ。普通であれば多用される回想シーンや時間軸の入れ替えを使わずに進めていくのは、よほど脚本に自信が無ければ出来ないことだろう。
さらには脚本のプロットも見事でした。限られた地下シェルターという空間にある小道具を効果的に使い、伏線としたり、その後の展開へと続けて行く脚本はお見事でした。結果として前作との関係性を明らかにはしませんでしたが、ただ単に地球外生物との対決を描くよりも色々な要素を含んだ優れた作品に出来上がっていました。
点数は★★★★☆です。残念ながらお話のメインだと思っていた人類の危機は物語の最後に少し描かれただけだったのと、登場するクリーチャーが暗闇の中だったのでちゃんと確認出来なかった点をマイナスとしました。でもストーリーは文句なく満点だと思います。
クローバーフィールドの続編かもと、期待したような結果では無かったのですが1本の作品として見応えがあったのは事実です。可能であるならば、この世界観を広げていってもらい、「クローバーフィールド事件」の全容が知りたいと思うのは私だけでしょうか?
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「どうしてこの作品を観たかったのか?」と聞かれれば、「タイトルにクローバーフィールドを冠しているから。」と答えるだろう。2008年に公開された「クローバーフィールド/HAKAISHA」はPOV方式で撮影された作品で、85分という短い時間ながら、個人的にはとても見応えのある作品で、今でもお気に入りの1本です。そんな作品の続編的な作品と聞けば見逃すわけにはいきません。今回の作品は「10 クローバーフィールド・レーン」です。
ミシェルは目を覚ますと、自分が地下シェルターに監禁されていることに気が付く。彼女は恋人との別れを決意し、住んでいた街を離れるため車を走らせていた。しかし、突然車をぶつけられ崖下に落下、気を失っていた。覚えているのはそこまでだった。すると彼女の前に現れたハワードという男はミシェルを誘拐したのではなく、助けたのだと主張する。殺されるのでは?と恐怖するミシェルだったが特に行動を制限されるわけでも、拘束されるわけでもなかった。さらにはその地下シェルターにはもう1人、エメットという男がいた。彼もハワードによって連れてこられたわけではなく、自分からこのシェルターへと入ったという。しかし、外へ出ようとするとハワードは驚くべき事を語った。「人類は謎の生命体の攻撃によって絶滅した。」というのだ。さらに外の空気は汚染され、外へ出た瞬間に死んでしまうという。にわかに信じられないミシェルは何とかして外に出ようと画策する。
冒頭でも述べたようにこの作品を観ようと思ったのは「クローバーフィールド」という言葉とプロデューサーを務めるJ・J・エイブラムスの名前だけでした。個人的には続編かあるいは何らかの関連性を示してくれるのを期待していましたが、それを示す要素は全くありませんでした。しかし、その事がこの作品の評価を下げることには結び付きませんでした。
登場人物は3人だけ(正確には声のみや、死体、写真などありますが。)さらに驚いたのは回想シーンやタイムラインをいじったりを全くしないでストーリーが進んでいくのです。観客に与えられる情報は登場人物が発するセリフだけなのです。観客は主人公であるミシェルのように、ハワードが話す事や外で起こっていることが事実なのか?嘘なのか?ミシェルと同様に迷い考えることになるのだ。普通であれば多用される回想シーンや時間軸の入れ替えを使わずに進めていくのは、よほど脚本に自信が無ければ出来ないことだろう。
さらには脚本のプロットも見事でした。限られた地下シェルターという空間にある小道具を効果的に使い、伏線としたり、その後の展開へと続けて行く脚本はお見事でした。結果として前作との関係性を明らかにはしませんでしたが、ただ単に地球外生物との対決を描くよりも色々な要素を含んだ優れた作品に出来上がっていました。
点数は★★★★☆です。残念ながらお話のメインだと思っていた人類の危機は物語の最後に少し描かれただけだったのと、登場するクリーチャーが暗闇の中だったのでちゃんと確認出来なかった点をマイナスとしました。でもストーリーは文句なく満点だと思います。
クローバーフィールドの続編かもと、期待したような結果では無かったのですが1本の作品として見応えがあったのは事実です。可能であるならば、この世界観を広げていってもらい、「クローバーフィールド事件」の全容が知りたいと思うのは私だけでしょうか?
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