しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

マン・オブ・スティール

2013年09月01日 18時07分47秒 | 作品名(ま行)
第320回「スーパーマンの冠を外したことは吉と出るか、凶と出るか?」
アメリカには2大コミックメーカーがある。「スパイダーマン」や「アイアンマン」「X-メン」などを抱える「マーヴェル社」と「バットマン」や「グリーン・ランタン」「スーパーマン」を抱える「DCコミック社」だ。どちらも人気のキャラクターを抱え、コミック界では人気を二分していると言っていいだろう。ところが映画界では状況がちょっと違う。「X-メン」を筆頭に「アメイジング・スパイダーマン」「アイアンマン」「キャプテン・アメリカ」など次々とヒット作を放ち、昨年にはヒーロー集合映画「アベンジャーズ」を歴代興行収入第3位となる作品を作り上げ、今後も続々と公開が予定されている「マーヴェル」に対し、「DCコミック」といえば、あちらほどの勢いを感じられずにいる。そして今夜の作品「マン・オブ・スティール」はかつて大ヒットした「スーパーマン」をリブートした作品だ。「スーパーマン」という解りやすい名詞を捨て、原題を採用したのは果たして正解だったろうか?

惑星クリプトンは滅亡の危機に瀕していた。自らの文明を維持する為に惑星を破壊してしまうほどの開発を続けた結果だった。有能な科学者であるジョー・エルはなんとか種族を救おうと奔走するが、時はすでに遅かった。惑星の破壊を止められないことを悟ったジョーは生まれたばかりの息子カル・エルに「コーデック」と呼ばれる種族の起源を託し、地球へと脱出ポッドを送り出した。無事に地球に辿り着いたカル・エルはケント夫妻に拾われ、クラークと名付けられ夫婦の子供として育っていった。クラークは成長するに伴って地球人とは比べものにならない特殊な能力を持っていることがわかる。普通の人間とは違うことで苦悩するクラークに父親は「やがて時がくる。お前が人類を導き、奇跡を起こす時が来る。」と時期が来るまでは力を隠すことを命じた。
やがて時が過ぎ、大人になったクラークは正体を隠しながら、自分の起源を探るべく旅を続けていた。ある日、カナダ山奥の氷河の中に地球上のものとは違う巨大な物体が眠っているという情報を手に入れると作業員に扮して、発掘作業に加わった。それはクラークが地球に辿り着くより1万年前に地球に来たクリプトンの船だった。そこで自らの正体を知った彼だったが、時を同じくして脅威もまた地球へと呼び寄せてしまったのだった。

2006年に製作された「スーパーマン リターンズ」は純粋にかつてのシリーズの続編として作られた作品だった。個人的には嫌いではなかったが、思っていたほどの興奮は無かった。その後に続編が作られなかったことも、作品が大ヒットと呼べる出来でなかったことは明らかだろう。そして今作「マン・オブ・スティール」は世間的に名前の通った「スーパーマン」という名前すら捨てて、リブートされた。前作「スーパーマン リターンズ」は「X-メン」シリーズを大ヒットに導いたブライアン・シンガーが監督と務めている。そして今作「マン・オブ・スティール」は「バットマン」シリーズ3部作を大ヒットさせたクリストファー・ノーランが製作総指揮を務めている。奇しくも私が注目している若手監督がどちらにも加わっていることが、なんとも運命的なものを感じてしまいます。(勝手にですが・・・)

物語はクラークが自分の成すべきことを見つけ、苦悩の中からスーパーマンとして成長していく過程が描かれていきます。ですが、堅苦しく哲学的に描かれるわけではなく、ヒーロー物として一定以上のレベルは保っています。特にヴィラン(悪役)であるゾッド将軍との戦闘は、かつてマトリックスで見たようなドラゴンボール的戦闘(笑)もとても見応えがあります。最初から最後まで息つく暇なく物語が展開され、回想シーンも効果的に挿入され観る人を飽きさせない作りになっています。

豪華なキャストも見逃せない点ではあります。ジョー・エル役にラッセル・クロウ。養父母であるケント夫妻にケビン・コスナーとダイアン・レイン。デイリープラネットの編集長にローレンス・フィッシュバーン。個人的に大好きな女優さんであるエイミー・アダムスがヒロインのロイス・レインを演じているのも嬉しいところでした。特に私が注目したのは敵役のゾッド将軍を演じたマイケル・シャノンという俳優さん。彼の怒りに満ちた表情には鳥肌が立ちました。あんまり豪華キャストを作品の評価とするのは好きではないのですが、よくあるキャスト先行の駄作とは違い、それぞれのキャラクターが見事に融合していました。

DCコミックは今後のシリーズは、全てをクリストファー・ノーランに任せるべきじゃないかと思うくらいに素晴らしい出来でした。もちろん、「ウォッチメン」「300」のザック・スナイダー監督の手腕も欠かせないところだとは思いますが。点数は★★★★★です。なんだか久しぶりに「観て良かった!」と心から思える作品に出会えたと思いました。もちろん、突っ込みどころが無いわけではありませんが、文句が出るほど気になる点はほとんどありませんでした。

どうやら、この後には「バットマン&スーパーマン」が計画されていて、さらにはDCコミック版「アベンジャーズ」というべき「ジャスティスリーグ」も視野に入れているようなので、今後の展開に期待しています。

マン・オブ・スティール ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [DVD]
ヘンリー・カビル,エイミー・アダムス,マイケル・シャノン,ケビン・コスナー,ダイアン・レイン
ワーナー・ホーム・ビデオ


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