しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015年04月13日 23時59分37秒 | 作品名(は行)
第375回「アカデミー賞の威光が無かったとしたら?」
映画ファンとして毎年楽しみにしている行事。アメリカの「アカデミー賞受賞式」。つい先だって授賞式が行われ、なんの関係の無い私もどの作品が獲るだろうか?なんて勝手に予想したりして楽しみました。特に今年の場合は「6才のぼくが、大人になるまで。」がおそらく中心になるだろうと観てもいないのに、勝手に予想していました。その結果はご存知のとおりです。正直、作品賞と監督賞は予想もしていなかった作品が獲得しました。今回の作品はその2つを獲った「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」です。

かつてヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン。しかし彼が人気を集めたのは昔の話。すっかり落ちぶれてしまい、ブロードウェイでの自分が脚色を手掛けた舞台に再起を懸け奮闘する毎日だった。しかし、問題は山積みだ。舞台のプレビューを数日後に控えたある日、舞台に出る予定だった俳優がケガで舞台を降板してしまう。さらに降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナーは若く才能溢れる俳優だった。そんなマイクは舞台上でもプライベートでも自分勝手振る舞いリーガンを追い込む。さらには付き人をしている娘サムとの不仲に苦しみ、彼は自分を追い詰めていく。やがて・・・

このブログで紹介する映画の基準としては、誰かにおススメすることが出来る作品なのか?が重要なポイントでもあります。ではこの作品はどうなのか?と考えてみると。正直、他人にお金を払って劇場で観てもらいたいと思える作品ではありませんでした。もし、この作品がアカデミー賞を獲得していなければ、私は観ていなかったと思います。(実際にちょっと遠くの映画館までわざわざ足を運んでまで観たのです。)

アカデミー賞会員の作品を選ぶ傾向として、実話物とデ・ニーロアプローチに弱いという点が挙げられます。実話物を挙げると、最近では「アルゴ」「英国王のスピーチ」。古くは「ラスト・エンペラー」「ガンジー」などが思いつきます。デ・ニーロアプローチで言えば、「モンスター」のシャーリーズ・セロン。「ダラス・バイヤーズ・クラブ」のマシュー・マコノヒーが思いつきます。そういう意味ではこの「バードマン」という作品はファンタジー的な要素を含んだ主人公のリーガンの頭の中を描いた映画で、アカデミー賞向きでは無いと思っていました。だから監督賞に加え、作品賞も獲得したと聞いた時は意外な結果に驚きました。特に今年は実話物が多かっただけに、全く予想していませんでした。

ところが今回、きちんと作品を鑑賞して思ったのは「これはアカデミー賞会員が好みそうな映画」だということでした。ステディ・カムを使い、まるでワンカットでずっと撮影されているような演出。さらにはブロードウェイの演劇界の状況やハリウッドを中心とした映画界を皮肉ったような内容に、結果として4部門受賞は納得できる作品でした。

ではこの作品が万人に受け入れられるのか?と考えれば答えはNOです。現実なのか?空想なのか?よくわからない展開。そして具体的に何が言いたいのか解らない結末。アカデミー賞には値すると思いますが、万人向けの作品ではありません。

点数としては★★★☆☆です。おそらく観た人によって評価が大きく分かれる作品だと思います。個人的にはこういう作品は嫌いではありませんが、もう1回観たいとか手元に残したいというほどの作品では無かったのでこの評価となりました。

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