しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

泣く男

2014年10月26日 13時21分30秒 | 作品名(な行)
第362回「久しぶりに観た韓国映画は何かを思い出させてくれた。」
特に観たい映画というわけではなかった。ふと見た映画館のホームページで会員の割引デーだったから、「じゃあ何か観ておこう。」くらいの気持ちで選んだ映画だった。ブログに対する意識も低下している今日この頃。映画鑑賞を趣味にしていることさえも考えてしまうくらい面白い作品が無い時期だったのもあるのだろう。急に思い立って「泣く男」を観てきました。

幼い頃に母親に連れられて韓国からアメリカへ移住してきたゴン。不遇な幼少時代を過ごし大人となった彼は中国系マフィアで有能な殺し屋として成長していた。その日もある殺しの任務を受け、ナイトクラブでロシアン・マフィアと韓国人ビジネスマンを皆殺しにするという任務遂行中だった。ところが任務が終わったと思ったところで鳴った物音に思わず反応してしまった。するとドアの向こうにいたのはユミという幼い少女だった。ゴンの放った銃弾によってユミの命を奪ってしまった。言いようのない感情に襲われたゴンは酒に溺れるのだった。するとそれを見かねた組織のボスがある任務を与える。それはユミの母親の暗殺だった。ゴンが任務を遂行した韓国人ビジネスマンの元妻であるユミの母親モギョンを殺すことで全てを清算しろという。拒否することが許されるはずもなく、数十年ぶりに故郷である韓国に戻ったゴンはモギョンに近づいていく。彼女の自宅へ侵入し身を潜めていたゴンが帰宅した彼女へ銃口を向け近づいた。するとそこにいたのはユミの死を受け入れられず悲しみに暮れる1人の母親としての姿だった。自分の母親との面影を重ね合わせてしまうゴン。再び身を隠すことに・・・朝を迎え彼女を見ると睡眠薬を大量に飲み自殺を図っていた。思わず彼女を助けてしまうゴン。任務に失敗したことに激怒した組織はさらに殺し屋を送りこむ。その殺し屋を迎え撃ったことでゴンも命を狙われることになってしまう。そしてアメリカの組織からかつて仲間だった3人が送り込まれる。ゴンの孤独で壮絶な戦いが始まる。彼の傷ついた心はどうすれば癒されるのだろうか?

韓流ブームになってから日本でも韓国映画を観る機会が増えて、私自身も何本も観てきましたが、私の趣味の関係でクライムサスペンスものやアクションものが多く恋愛ものは全く観ていません。そのせいなのかも知れませんが、韓国の闇社会を描いた作品が多く、韓国という国への印象があまり良くないのです。今作も同様で、韓国のかなりドス黒い闇の部分を描いています。それはそれは見事なくらい。R15指定ですからね(笑)

監督さんが「アジョシ」と同じと聞いた段階で作品の毛色みたいなものは大体想像できましたが、それ以上に見事なアクション・クライム作品でした。一般人をも巻き込んでの団地での派手な銃撃戦は「韓国では許されるのか?」と変な疑問すら考えてしまいました。

物語の展開も素晴らしく、テンポの速い展開で時間があっという間に過ぎていきます。そんな大味な脚本なのかと思えば、主人公のゴンの心の傷を上手に織り込みながら、彼の心の葛藤を上手に描いています。さらにタイトルにもなっている「泣く男」。もちろんゴンのことなのですが、いつでも泣いているわけでなく、その表現も見事です。物語の中盤に登場する意味なく思える場面が、最後で明かされるのですが、そのシーンに鳥肌が立ってしまいました。

点数は★★★★☆です。子供が犠牲になる設定には共感できませんが、その事への物語の締め方がとても見事でした。その結末しか無いだろうという終わり方でした。もう少しだけゴンの心模様を丁寧に描けていたら満点だったのですが・・・それでもここのところ映画鑑賞とブログへの意識が低下していた私にとっては、そのモチベーションを上げるにはピッタリな作品でした。ただただCGに頼り、原作ものばかりを映画化している日本映画界にも見習って頂きたいものです。映画は脚本が一番大事なのですから。

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チャン・ドンゴン,キム・ミニ,ブライアン・ティー,キム・ジュンソン,キム・ヒウォン
ポニーキャニオン


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