しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

REC/レック4 ワールドエンド

2015年02月01日 22時23分01秒 | 作品名(ら行)
第370回「破綻した物語を完結させるための手段だとしたら・・・」
今回の作品はとても珍しいスペイン映画です。この日本ではほとんど目にすることはありませんが、第1作目が面白いとかなり話題になり、ハリウッドでもリメイクされるほどの作品でした。現場にあったカメラが偶然捉えた映像を使ってリアリティさを出すPOV方式によって作られた2作目までは良かったのですが、3作目で突如の路線変更。ただのパニックホラーとなってしまいました。もう続編は無いだろうと思っていたら、なんと完結編が公開されるとのこと。しかも全国で21館だけというミニシアター並みの公開数。そのうち1館が私のホームとしている映画館ということで、これこそ「乗りかかった舟」だということで早速、行ってきました。タイトルが遅くなりました。「REC/レック4 ワールドエンド」です。

バルセロナ郊外にあるアパートで発生したウィルス流出事件。唯一の生き残りであるテレビリポーターのアンヘラ。彼女が目を覚ますと診察台に拘束されていた。そこは巨大タンカーを改造した研究施設で、ウィルスの研究から抗ウィルス剤を製造しようとしていた。保菌者ではと思われたアンヘラは陰性、彼女を助けた特殊部隊の隊員も陰性だった。そこで研究員は現場で確保した保菌者の血液から抗ウィルス剤を作成しようとした。ところが突如起こった停電によって効果を確認する為に捕獲していた感染者が逃げ出したのだ。船内はあっという間にパニックを起こし、続々と感染者を増やしてしまった。わずかに残った数人は脱出を図ろうとするが・・・

そもそもPOV方式というのはとても難しい作風だと思っています。通常であれば何台ものカメラを使い、あらゆる角度から状況を撮影でき、それでいて観客はカメラマンを意識することはない。ところがPOVの場合、カメラは実際にその現場に存在し、カメラマンが撮影している映像である。だからこそ視点の狭さや窮屈さによって生み出される閉塞感や展開がホラーに向いていると思います。と同時に無理も生じてきます。それは「偶然に撮影された」必然を生み出す必要があるからなのです。

そういう意味ではこの「REC/レック」シリーズの1作目、2作目は成功を収めていたと思います。だからこそ大ヒットしたのでしょう。代表的なところでいえば「パラノーマル・アクティビティ」のようにアイデア一発の低予算で作ることも可能だったのです。

ところが、そのPOV方式をこのシリーズは3作目で投げ捨ててしまいました。というより作り手側が限界を感じたのでしょうか?それによって「REC/レック3 ジェネシス」はただのパニックホラー映画となってしまいました。残念ながら今作もそうです。POVを捨てたパニックホラー映画なんて、正直どこにでもあるのです。

もっともっと脚本が練られていれば話は別なのですが、この作品は良くあるパニックホラー映画の域を脱することは出来ませんでした。改めていいます。どんなに大変だろうが作り手側はPOV方式に固執すべきだったと思います。

点数は★★★☆☆です。ずっとこのシリーズを見てきた私が付けた点数なので、普通ならさらにマイナス1となると思います。この作品からの鑑賞では面白味は半減してしまいます。取って付けたような前作との絡みも、アンヘラ役の女優さんを主演に据えたのも、残念ながら映画を面白くする効果としては薄かったと思います。(女優さんは可愛いのですが・・・)

さらに完結編と言ってはいますが、どうとでも続けることが出来そうなエンディングにさらにガッカリでした。個人的に大好きなジャンルだけにとても残念です。

REC/レック4 ワールドエンド [Blu-ray]
マニュエラ・ヴェラスコ,パコ・マンザネド,エクトル・コロメ,イスマエル・フリツチ,クリスプロ・カベサス
Happinet(SB)(D)


【ランキングに参加しています。クリックにご協力を】

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ANNIE/アニー | トップ | ミュータント・タートルズ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

作品名(ら行)」カテゴリの最新記事