コンペティション
1980年/アメリカ
ピアノ・コンクールに賭けたラブ・ストーリー
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 65点
キャスト 75点
演出 75点
ビジュアル 70点
音楽 85点
ジョエル・オリアンスキーが監督・共同脚本化した音楽ドラマ。年齢制限があって今年がラストチャンスのポール(リチャード・ドレイファス)とコンクールで良く顔を合わすハイディ(エイミー・アーヴィング)の恋を中心に、競い合う若者6人の人間模様が描かれている。
舞台はサンフランシスコ。ヒルマン・ピアノ・コンペは若手ピアニストの登竜門で世界中からプロを目指して集まってくる。
ポールは父の夢であるピアニストを目指すが中西部のコンクールでも3位という中途半端な位置で、これがラスト・チャンス。ハイディには専任教師グレタ(リー・レミック)がついて躍起になっているが本人はその才能に気付いていない。背水の陣のポールは他のことで気が散ることは許されないが、ハイディにとって好意を持っているポールはライバルではなく憧れの存在。それぞれのコンペに挑む背景が分かるとなんとなく結果が予想されてしまいそうになる。
ドラマは結果をストレートには追わず決勝に残った他の4人にもスポットを当てながら進んで行く。NY在住で芸能タレント志望のジェリー、イタリア在住のアフリカ系御曹司マイケル、真面目なカナダ人マーク、旧ソ連の天才少女タチアナの4人である。このあたりの掘り下げがいまひとつの感があって、コンクールへの緊張感が盛り上がらなかったのが残念。
タチアナの教師が亡命したことがキッカケでコンペが延長されたり、ポールの父が重病だと知らされたりポールが不安材料を抱える経緯があってハイディに救いを求め<結果がどうなっても一緒に暮らそう>と誓い合う。肝心の2人の恋の行方もなんとなく中途半端。
圧巻だったのはピアノ演奏シーン。吹き替えとはいえ皇帝のポール、フロコフィエフの3番のハーディを始め6人の手さばきは最大の見どころ。
主演のR・ドレイファスの代表作は「陽のあたる教室」だが15年後のポールを連想させる役ドコロなのも興味深い。本作で記念すべき第1回ゴールデン・ラズベリー賞の主演男優賞にノミネートされたが脚本のできに起因するものだろう。
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