硫黄島からの手紙
2006年/アメリカ
命の大切さを改めて想う
shinakamさん
男性
総合
85点
ストーリー
90点
キャスト
80点
演出
85点
ビジュアル
80点
音楽
80点
C・イーストウッド監督の硫黄島シリーズ第二作。何よりこの映画が日本映画でなく、ハリウッド作品であることに驚かされる。製作総指揮のポール・ハギスと共同原案・脚本のアイリス・ヤマシタに敬意を表したい。
日本から見た硫黄島は、ヒロシマ・ナガサキ・沖縄と並び、悲劇の象徴。そこで指揮を執った栗林中将(渡辺謙)と若き兵士西郷(二宮和也)を中心に日本人の戦争を回想させる。
当時の思想「生き恥をさらすより、名誉の戦死」を選ばず、命の大切さを切々と訴える物語は涙なくして見られない。
栗林が硫黄島へ赴任した年に生まれた自分にとって、西郷の娘同様父親達の人生そのもので、私情なしで観られないのを差し引いても「父親達の星条旗」を上回る傑作だ。
全て日本語の台詞で不自然さは微塵にも感じられない。モノトーンの映像とともに寧ろ淡々と進む戦争シーンとC・イーストウッドの音楽もその悲しみを倍増させる。アメリカ留学経験のある栗林とロス・オリンピック馬術金メダリストバロン・西(伊原剛志)もさりながら、普通のパン屋・西郷や、理想に破れ生きることの大切さを実感した元憲兵・清水(加瀬亮)にこの物語の真実を見た。
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