晴れ、ときどき映画三昧

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『フロスト×ニクソン』 85点

2009-04-04 16:15:05 | (米国) 2000~09 

フロスト×ニクソン

2008年/アメリカ

ドラマチックな展開で、人物像がくっきりと浮かんで見える

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

オスカー監督ロン・ハワードが英国で好評の舞台劇を、作家ピーター・モーガンに脚色を依頼して映像化した最新作。実在人物のドラマ化に定評のある2人が、<アメリカTV史上最強視聴率を得たインタビュー番組>をドキュメント・タッチで描いた人間ドラマ。
前代未聞のスキャンダル「ウォーター・ゲート事件」で辞任した米大統領リチャード・ニクソン(フランク・ランジェラ)。歴史的には悪評高い大統領だが、その人間像は巷間言われるとおりなのか?そして最大の関心事は事件について本音が引き出せるか?インタビュアーは英国コメディアン出身のデヴィッド・フロスト(マイケル・シーン)。米国では地方で放映されているトークショー番組が3大ネットワークには乗らず苦戦中。このインタビューに賭けていた。
4回の収録を中心に、この番組がどの様に行われたか、裏面が伺えて想像以上にドラマチックな作りとなった。結果、TVというメディアを知り尽くしていたニクソンが、組み易い相手として選んだフロストに圧勝する筈だったのに意外な落とし穴が...。4回目の収録前夜における電話でのヤリトリなど、フィクションを交えることにより2人の人物像がくっきりと浮かび上がって見える。無冠に終わったが、アカデミー賞の主要5部門にノミネートされたのも頷ける。
2人とも舞台で演じた役を、映像ならではの魅力で演じている。とくにニクソン役のF・ランジェラは「ドラキュラ」以来の代表作として印象深い。顔は似ていないのに、威圧感があり猜疑心が強い孤独な人物像は本物で、このドラマを奥深くさせた最大の功労者。対するM・シーンは「クイーン」でブレア首相を演じて注目されたが、軽さの裏に虚栄心を秘めたインテリ像を形成していて決して見劣りしていない。
ボクシングにはラウンドの合間に1分間インターバルがあるように、この4回のインタビューにもそれぞれのブレーンがついてアシストする。ニクソンにはジャック・ブレナン(ケヴィン・ベーコン)、フレストには反ニクソンの作家(サム・ロックウェル)ジャーナリスト(オリバー・プラット)にプロデューサー(マシュー・マクファディン)の3人。それぞれがこのバトルに欠かせないスタッフで、紅一点のキャロライン(レベッカ・ホール)も彩りに欠かせない。



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