晴れ、ときどき映画三昧

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「ドリーム」(16・米)70点

2018-04-07 13:35:51 | 2016~(平成28~)

・ 二重の差別にメゲズ頑張った女性賛歌の痛快エンタテイメント。




62年米国有人宇宙飛行計画(マーキュリー計画)で、初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を陰で支えたNASAの黒人女性スタッフたちの、知らぜざる事実に基づく痛快エンタテイメント。

監督は「ヴィンセントが教えてくれたこと」(14)のセオドア・メルフィ。3人のヒロインにはタラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイが扮し、ケヴィン・コスナー、キルスティン・ダンスト、ジム・パーソンズ、マハーシャ・アリ、グレン・パウエルらが脇を固めている。

天才的な数学の才能を持つキャサリン(T・P・ヘンソン)を中心に、計算部の実質的管理職ドロシー(O・スペンサー)、エンジニア志望のメアリー(J・モネイ)の3人。

この時代の南部での有色人種への差別は激しく、おまけに男女格差は当たり前の社会であることを全編で知らされる。

トイレが黒人専用で研究所から40分もかかる場所しかなく、ティポットも別々。今では当たり前のコンピュータによる解析も計算手と呼ばれるチームが存在しそこには優秀な黒人女性たちが担い手だった。

最先端技術の粋を集めたNASAにおいてこのような事実があったとは思えないが、フィクションによってより明確になった差別を乗り越える彼女たちが軽快な音楽に乗ってポジティブに描かれ、現在も色濃く残る米国への警鐘ともなっている。

なるほどと思ったのは、無自覚な男女差別。筆者も含め<女の割りに優秀だ>と思って思わず言葉に出してしまうジム・ジョンソン(M・アリ)やメアリーの夫など人種とは無関係に男たちの本音が描かれる。

偏見のないハリソン本部長(K・コスナー)でさえ、差別に気づいていない現実は現代社会でもよるあることだ。

60年代の華やかなファッション、ビンテージ・カーが登場し、米国が頑張っていた時代。NASAという象徴的存在の裏に誇り高い彼女たちが時代の先駆けになって活躍していたのを改めて知る想いだ。

ちなみにこの撮影監督は数少ない女性であるマンディ・ウォーカーである。







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