晴れ、ときどき映画三昧

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「七人の侍」(54・日) 90点

2013-06-03 07:54:44 | 日本映画 1946~59(昭和21~34)

 ・日本映画の代表作。

 

 黒澤明監督の、というより日本映画のベスト3に入る作品。ヴェネチュア国際映画祭銀獅子賞を受賞した。

 戦国時代、野武士が農家を襲い略奪が横行していた。農民たちは長老・儀作(高堂国典)の教えで、自衛のために侍を雇うこととした。条件は飯をタダで食わせるというもの。農民4人は街へ出て初老の老人に縋る。名前は島田勘兵衛(志村喬)といい、冷静沈着なリーダーシップを兼ね備えている。

 作品は個性豊かな七人の魅力と、農民(ここでは百姓)たちの様々な性格が相まって、まるで西部劇のような一大エンタテインメント。のちにユル・ブリンナー主演でリメイク(荒野の七人)されたのも納得。

 勘兵衛のモデルは上泉伊勢守で、人質の子供を救うシーンはそこから取っている。無口で孤高の剣客・久蔵(宮口精二)は宮本武蔵のイメージ。粗野で天真爛漫ながら人懐っこい菊千代(三船敏郎)は、カードならジョーカー。

 いまでは当たり前だが、当時の時代劇の常識を打ち破った画期的なストーリーと映像が日本映画の代表作である所以。何度観ても新鮮な驚きがあって不朽の名作である。ひとつだけ注文があるとすれば、台詞が聴き取れないところがあること。半世紀前の技術では、止むを得ないが・・・。


 


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