バベル
2006年/アメリカ
「言葉」より大切なものは「心」
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 80点
音楽 80点
「21g」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥがカンヌ国際映画賞最優秀監督賞を受賞した作品。米国アカデミー賞の作曲賞を受賞。
映像が刺激的で気分が悪くなるシーンが話題となったディスコの場面は、眼が悪い人にはキツイかもしれないが、アカデミー賞助演賞候補・菊地凛子の見せ場なのでカットはできない。
米国・サンディエゴに住み子供を乳母(アドリィアナ・バラッサ)に託し、モロッコを旅するリチャード(ブラッド・ピット)スーザン夫婦(ケイト・ブランシェット)。
山道で妻が何者かに銃で撃たれ重症となる。銃の持ち主は日本人のヤスジロー(役所広司)で聾唖の女高生チエコ(菊地凛子)とのコミュニケーションが儘ならない。
米国・メキシコ・モロッコに日本が舞台に加わり、ひとつの事件が結び付く。日本は話の本筋ではないが、日本のドラマが入ることで世界の広がりを感じ厚みが増してくる。
リチャード夫妻は銃撃され2人だけになり、初めて心のわだかまりが消える。我が身の保身のため甥(ガエル・ガルシア・ベルナル)に子供2人とともに砂漠へ置き去りにされた乳母は、仕事を奪われメキシコへ強制送還される。孤独な女高生・チエコは愛を表現する手段が分からず、体で伝えようとする。
人間は思わぬところで愚かなことをしてしまい、ことの大きさに気付き愕然としてしまう。その手段に言葉や行動があるのだが、それが通じない場合に大切なことは何なのだろう?何れも「心を伝えることの難しさ」をヒシヒシと感じる。
そして、その行動で心を伝えたのは銃を撃った羊飼いの弟で、兄を助けるために云った言葉に真実を見た。
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